写真提供:Urman Lionel/ABACA/共同通信イメージズ
気候変動やパンデミック、戦争など、世界の不確実性が高まる中、保険の果たす役割は大きくなると同時に、業界そのものも変革を求められている。コンサルティング企業A.T. カーニーで保険業界の戦略領域を数多く手掛けてきた著者が保険産業の進むべき道筋を描いた『2050年の保険業界』(日経BP 日本経済新聞出版)から一部を抜粋。グローバル企業の先進事例を紹介する。
世界有数のドイツの保険グループ・アリアンツは、商品、業務、システムを徹底して共通化し、規模の経済を極限まで追求する。全世界共通の商品設計を可能にするコンセプト「マスタープロダクト」とは?
Allianzグループ:規模の経済を極限まで追求する
Allianzグループは、ドイツ・ミュンヘンに本拠を置く世界有数の保険・資産運用グループです。損害保険、生命保険、資産運用を中核事業とし、70カ国以上で事業を展開しています。
特に損害保険分野ではグローバルトップクラスの規模と収益力を有し、安定した成長を続けています。業界内では、オペレーションやITの徹底した共通化・標準化によるスケールメリットを競争優位の源泉としており、デジタル化やAI活用を含む効率的な経営モデルを先行して構築してきた点が大きな特徴です。
■核となるのは2018年に打ち出したAllianz Customer Model
Allianzグループが目指しているのは、一言でいうと「一つの共通基盤で世界中の顧客に商品とサービスを提供する」というものです。いわば規模の経済を最大限に発揮するというコンセプトがあらゆるところに表れています。これをAllianz Customer Model(ACM)と称しています。
