通訳登録、対応力強化へ 三重県内での犯罪被害外国人の支援 迅速に

センターの活動内容を学ぶ通訳たち=津市栄町で

 みえ犯罪被害者総合支援センターは、外国人が犯罪被害に遭ったときに通訳を交えて相談・支援を受けられるよう、センターからの要請に応じて通訳にあたる人員を指定登録する制度を始めた。20日には5言語13人が指定登録を受けた。センター担当者は「今後県内の情勢に合わせて通訳を指定登録し、被害者支援に迅速に対応できる体制を目指したい」とする。 (東田茉莉瑛)

 書類審査等を経た通訳は、弁護士や臨床心理士から犯罪被害者支援の法律知識や被害者の心理、通訳をする上での注意事項などを学ぶ講習会を受講し、指定を受ける。指定登録を受けた通訳は、平日午前9時〜午後4時の間、センター職員の支援活動に同行したり、利用者の求めがあれば裁判の傍聴記録を翻訳したりする。

 同センターでは、2006年から犯罪被害に遭った人の電話相談や面談、病院や裁判所への付き添い、警察への橋渡しなどを担ってきた。県内で暮らす外国人は、同年には4万9304人だったのが、25年末には7万1492人まで増加。それに伴い、センターを利用する外国人の数も増えているという。

 担当者によると、これまでは外国語のできる職員がメールの返信を担い、市や警察から通訳の紹介を受けていた。ただ、通訳の手配までに1週間ほどかかることもあったという。そんな経緯もあり、職員らで話し合い、通訳の指定登録を決めた。楠井嘉行センター長は「犯罪被害には誰もが遭う可能性がある。外国人でもだれでも、幅広く利用できる場所になっていきたい」と思い描く。

 一方、被害者支援ならではの難しさもある。講習に参加していた英語通訳の小西美奈さん(57)は、「被害者支援の通訳で一番心配なのは心理面」という。小西さんは企業通訳などを約20年経験し「通訳では話し手との信頼関係が重要。言葉にならない思いを伝えることも仕事なので、感情移入も必要」と考えるが、「被害者支援で自分が一緒になって泣いてしまう訳にはいかない。向き合い方を学びたい」と話す。

 講習では臨床心理士仲律子さんの講義を実施。相談者と境界線を引くことや、代理トラウマ(心的外傷)の予防の重要性などを説明した。担当者は「通訳の心理的負担も考え、指定登録時に講習を受けてもらった。今後もメンタルに不調が出た場合は臨床心理士が相談に乗るなど対策したい」と話した。

Share.