a woman cools herself with a small personal fan猛烈な熱波がヨーロッパを襲う中、多くのアメリカ人が同じ疑問を抱いている。「なぜエアコンを設置しないのか?」Bloomberg/Getty Imagesヨーロッパを猛烈な熱波が襲う中、アメリカ人が昔から抱いてきた疑問がソーシャルメディア上で再び話題になっている。その疑問とは「なぜヨーロッパでは、アメリカと比べてエアコン普及率がこれほど低いのか?」というものだ。ヨーロッパの建築様式や高いエネルギーコストが、エアコンの普及を妨げている。

今のヨーロッパは、とてつもなく暑い。

大陸の広い範囲で気温が急上昇し、かつては例外的と考えられていた水準にまで上がっている。フランスでは観測史上最も暑い日となり、一部の地域では最高気温が華氏108度(摂氏約42度)を記録した。

熱波で社会が麻痺しているイギリスのいまを住民として解説しよう | Business Insider Japan

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イギリスとスペインでも、6月としては観測史上最も暑い日となった。ヨーロッパの天気図を開くと、大陸の広い範囲が真っ赤に染まっており、まるで灼熱の炎が大陸を焼き尽くしているかのようだ。

ヨーロッパの気温は、アメリカ、オーストラリア、アジアの多くの地域と比べて劇的に違うわけではないが、決定的な違いが一つある。暑さをしのげる場所を見つけるのが、はるかに難しいのだ。

国際エネルギー機関(IEA)によると、アメリカや日本では約90%の家庭がエアコンを所有しているのに対し、ヨーロッパではわずか20%程度にとどまる。熱波に襲われると、何百万人ものヨーロッパの人々は、人工的な冷気の中で快適に過ごすのではなく、ただ暑さに耐えるしかないのだ。

多くのアメリカ人にとって、この状況は理解しがたいことだ。ソーシャルメディアでここ数日、ヨーロッパでエアコンが普及していないことについて、アメリカのユーザーが次々と投稿しているのを目にしたことだろう。

決済サービスを提供する「ストライプ(Stripe)」のCEO、パトリック・コリソン(Patrick Collison)は、ヨーロッパでエアコンが普及していない理由についてClaudeに質問した際の回答のスクリーンショットをXに投稿し、1900万回閲覧され、数千件のコメントが寄せられた。

I asked Claude about the air conditioning debate in Europe, and it really didn’t pull any punches. pic.twitter.com/bA29683Hgh

— Patrick Collison (@patrickc) June 23, 2026

— Patrick Collison (@patrickc) 2026年6月23日

「ヨーロッパのエアコン論争についてClaudeに聞いてみたら、歯に衣着せぬ回答が返ってきた。」pic.twitter.com/bA29683Hgh

世界一の富豪であるイーロン・マスクもこの議論に加わり、コリソンの投稿を「これは秀逸」と絶賛。さらに、シンガポールの公共機関のオフィスへのエアコン設置を強く推し進めたリー・クアンユー元首相を「天才」と評した。

Lee Kuan Yew was a genius https://t.co/IFDx9vEE2C

— Elon Musk (@elonmusk) June 24, 2026

— Elon Musk (@elonmusk) 2026年6月24日

「リー・クアンユーは天才だった」 https://t.co/IFDx9vEE2C

ソーシャルメディア上では、ヨーロッパでエアコンが普及していないことが腑に落ちないという意見が多く、ヨーロッパ人は単に頑固なだけだという意見も見られた。

I honestly love Europeans slowly breaking

They can’t keep the anti-AC cope going for much longer, it’s simply getting unliveable there

I think we’re just one year from the tipping point where they all just buy one, they’ll ignore whatever rules are against them in their…

— @levelsio (@levelsio) June 24, 2026

— @levelsio (@levelsio) 2026年6月24日

「正直なところ、ヨーロッパ人が少しずつ折れていく様子を見るのは痛快だ。エアコン不要論も、長くは続かないだろう。もはや暮らすのも困難になりつつある。あと1年もすれば、誰もがエアコンを購入するようになる転換点が訪れるだろう。建物や自治体の規制など無視して設置し、警察は何もしないだろう。もはや規制は形骸化しており、それを誰もが分かっているからだ」

実際のところ、エアコンが敬遠される背景には、経済、建築、歴史、そしておそらくは少々の頑固さといった要因が絡み合っている。

変わりゆく気候

つい最近まで、ヨーロッパの多くの地域ではエアコンは必要とされていなかった。北欧の大部分では、夏といえば主に7月と8月に限られ、平均気温は華氏80度(約27℃)を下回っていた。建物は、熱波の際に熱を逃がすことよりも、長い冬の間に熱を保つように設計されていた。

しかし、気候は急速に変化している。世界気象機関(WMO)は昨年、ヨーロッパの気温の上昇率は2倍以上であることを明らかにした。夏の異常な暑さはもはや例外ではなく、日常になりつつある。

依然として遅れている、エアコンの普及

エアコン設置が進まない理由の一つはコストだ。ヨーロッパのシンクタンク「ブリューゲル(Bruegel)」によると、2024年のEUにおける産業向け電気料金の平均は、アメリカの約2.5倍だった。

長引く熱波の期間中にエアコンを稼働させ続けると、家庭の光熱費は目に見えて跳ね上がる。多くの家庭にとって、たまにしか必要にならない冷房システムに数千ユーロを投じるよりも、数週間の不快さを我慢することの方が合理的だと見なされてきた。

エアコンの後付けという大きな障壁

アメリカの郊外は主にエアコンが広く普及した時代に住宅が建設されたため、セントラル空調システムを最初から組み込むことができた。一方、ヨーロッパの住宅ははるかに古く、エアコンが存在しなかった時代に建てられた住宅に何百万人もの人々が暮らしている。

現代的な冷房システムを設置するには、高額な後付け工事や、家主の許可、あるいは改築を制限する歴史的建造物の保全規制への対応が必要になることが少なくない。

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