金沢大学国際基幹教育院 GS 教育系の八柳祐一教授が発見に関わり、名称を提案した小惑星「Okunoto」「Shizuoka」が、国際天文学連合(IAU)の下部組織である小天体命名委員会(WGSBN)により正式に承認されました。
これらの小惑星は、八柳教授が静岡大学教育学部に在籍していた 2007 年、学生 3 名とともに参加した教育アウトリーチプログラム IASC(International Astronomical Search Collaboration)(※1)での解析作業を通じて発見されたものです。IASC は、学生や一般市民がプロの天文学者と同じ観測データを用いて小惑星の探索に取り組む国際的な市民科学プロジェクトで、世界中で 5 万人以上が参加し、これまでに 1 万 2000 個を超える小惑星が発見されています。
2007 年のプログラムで得られた観測データを解析した結果、学生らは 2 個の小惑星を発見し、それぞれ仮符号「2007 TO15」、「2007 TS70」が付与されました。その後、軌道確定のための追観測と審査が継続され、確定までに 17 年を要しました。2024 年 4 月には、IASC から八柳教授に対し命名権取得の通知が届き、静岡大学教育学部の協力のもと、当時の発見学生 3 名とともに名称「Okunoto」「Shizuoka」を提案しました。
名称は IAU 小天体命名委員会で審議され、「Shizuoka」が 2024 年 9 月に、「Okunoto」が 2025 年 11 月に正式承認されました。承認後には、能登町の石川県柳田星の観察館「満天星」が X(旧 Twitter) 上で「Okunoto」を紹介するなど、地域からの反響も寄せられています。
都市部では光害により夜空が失われつつある中、奥能登のきれいな星空、夜空は貴重な観光資源であり、今回の命名が地域の魅力発信や星空保全の促進に寄与することが期待されます。

IASCが作成した 2007 TS70(Shizuoka) の軌道図(2007年発見当時)
【用語解説】
※1 教育アウトリーチプログラム IASC(International Astronomical Search Collaboration)
Hardin-Simmons University(米国 Texas 州)の J. Patrick Miller 教授が 2006 年に開始した教育アウトリーチ活動。学生や一般市民がプロの天文学者と同じデータを用いて小惑星発見に参加できる「市民科学(Citizen Science)」プロジェクトの先駆けとして知られている。2024 年時点で 96 カ国から 5 万人以上が参加し、1 万 2000 個を超える小惑星が新規発見されている。現在は Miller 教授の異動に伴い、本部機能が Cisco College に移転。参加希望者はウェブページから無料で申請できるが、人気が高まり、参加までに数ヶ月の待ち時間が生じることがある。
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研究者情報:八柳 祐一
関連情報
金沢大学 国際基幹教育院
金沢大学 大学院 自然科学研究科
