An AH-64E Apache Guardian.駐機場に駐機するAH-64E アパッチ攻撃ヘリコプター。US Army National Guard photo by Edwin L. Wristonアメリカとイランの戦争が続くなか、6月9日、ホルムズ海峡近くでアメリカのアパッチ攻撃ヘリコプターが墜落した。ボーイングが製造するAH-64アパッチは、世界で最も先進的な攻撃ヘリコプターの一つだ。ヘルファイアミサイル、ハイドラ70ロケット弾、30ミリチェーンガン弾を発射できる。

AH-64アパッチは世界で最も先進的な攻撃ヘリコプターの一つだ。だが、実戦で何度もその能力を証明してきたこの重武装ヘリでさえ、近年増大する上空からの脅威に対しては、決して無敵とは言えない。

AH-64Dアパッチ・ロングボウのコックピットに座ってみた | Business Insider Japan

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6月9日、米軍はアメリカとイランとの戦争のさなかに周辺海域を哨戒中だったAH-64アパッチが、オマーン沖で墜落したと発表した。その後の報道により、同機はイランのドローンによって撃墜されたことが明らかになっている。

乗員2人は無事に救助された。この救助作戦には、サロニック・テクノロジーズ(Saronic Technologies)社の新型海洋ドローン「コルセア(Corsair)」が投入された。米軍として、無人艇を実際の救難任務に使用した初の事例となった。米軍はアパッチ撃墜への報復として、イランに対する攻撃に踏み切った。

米陸軍がホルムズ海峡近くで海上哨戒やイラン艦船への攻撃に使用してきた、汎用性の高い戦闘プラットフォームであるAH-64アパッチ攻撃ヘリコプター。その兵装と戦闘能力の実力を見ていこう。

AH-64アパッチは、世界で最も先進的な攻撃ヘリコプターの一つだAn AH-64E Apache helicopter.第12戦闘航空旅団第159航空連隊(攻撃)第2大隊に配属された米陸軍兵士たちが、2026年3月18日にドイツのグラーフェンヴェーア訓練場で実施された「オペレーション・スカイフォール(Operation Skyfall)」で、無人航空機システムへの対処を目的にAH-64Eアパッチヘリコプターを運用した。オペレーション・スカイフォールは、第12戦闘航空旅団が対無人航空機システムの能力の実証を通じ、東部側面抑止構想を推進するために実施した重要な訓練演習だ。US Army photo by Markus Rauchenberger

初代モデル「AH-64A」が製造されたのは1984年のこと。現行の最新モデル「AH-64E」は2012年に就役している。

製造元のボーイング(Boeing)によれば、アパッチは主に米陸軍で運用されているが、日本、アラブ首長国連邦、イスラエル、シンガポールを含む19カ国で1300機以上が運用されている。

最大16発のヘルファイアミサイル、76発のハイドラ70ロケット弾、30ミリ機関砲用の弾薬1200発を搭載できるAn AH-64E Apache attack helicopter fires a Hellfire missile.2023年1月24日、ワシントン州ヤキマ訓練センターで、第16戦闘航空旅団第1-229攻撃大隊に配属された兵士たちが、AH-64EアパッチヘリコプターからAGM-114 Hellfireミサイルを発射している。US Army photo by Capt. Kyle Abraham, 16th Combat Aviation Brigade

ヘルファイアミサイル(Hellfire missile)は主に空対地兵器として機能するが、低速で飛行する一部航空機への攻撃にも使用可能だ。

ハイドラ70ロケット弾の最大射程は約3万4448フィート(約1万500m)。機関砲は毎分600〜650発を連射でき、最大射程は1万3123フィート(約4000m)に達する。

実戦におけるアパッチの役割は、地上部隊を支援するために敵戦力を発見し、追尾し、破壊することだ。主なターゲットは戦車などの走行車両だが、敵の歩兵部隊や物資集積所も対象になる。夜間や視界の遮られた過酷な環境下でも、敵を正確に捉えて交戦するための高性能なセンサーを搭載している

安全性の高い戦術通信システム「リンク16」を搭載しているA crew member uses an end-user device in an AH-64E Apache.2025年3月、国立訓練センター(NTC)で実施されたプロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン5(PC C5)において、第82空挺師団第82戦闘航空旅団第1-17航空騎兵隊A中隊所属のトーマス・シモンズ(Thomas Simmons)准尉2等が、AH-64Eアパッチ搭乗中にエンドユーザーデバイスを使用して発射効果(LE)代替機を動的に制御している。US Army photo by Nelson Ballew

さらにこのヘリは特定のドローンとの連携運用が可能で、乗員が上空から視認・攻撃できる範囲を大幅に広げられる。

最高速度は約300km/hに達するAn AH-64 Apache helicopter.米陸軍のAH-64 アパッチ攻撃ヘリコプターが、部分的に曇った空を背景に低高度飛行機動中に急旋回している。スタブウィングのハードポイントに武装を搭載した2座席・双発ターボシャフト式攻撃ヘリコプターが、フレーム右下に砂漠地帯の土塁または土工構造物と思われるものを背景に、ダイナミックなバンク姿勢で捉えられている。陸軍の主力攻撃ヘリコプターであるアパッチには、機首搭載型センサースイートと、画像にも確認できる兵器システムが搭載されている。Keith Garner/Utah National Guard Public Affairs

このヘリコプターは毎分最大2800フィート(約853m)の速度で急上昇できる。高度なレーダーシステムを搭載しているため、極めて低い高度や、厳しい悪天候のなかで飛行することが可能だ。

アパッチの操縦には2人の乗員が必要だThe crew of an AH-64E Apache.2022年4月20日、ワシントン州ジョイント・ベース・ルイス・マクコードにて、第16戦闘航空旅団第1-229攻撃大隊デルタ中隊所属のコリン・シュルター(Kolin Schurter)軍曹が、地上走行中のAH-64E アパッチヘリコプターの前席に着座している。アパッチは飛行中に同乗する下士官乗員を持たないため、優秀な兵士に対するこの“褒賞”は特別かつ異例の機会だ。US Army photo by Capt. Kyle Abraham, 16th Combat Aviation Brigade

操縦を行うパイロットが後席に座り、副操縦士兼ガナー(CPG)は前席に座る。どちらの座席にも完全な操縦装置一式が備わっている。

標的を見るだけで兵器を照準できる特殊ヘルメットAn Apache helicopter pilot wearing a helmet.2017年4月25日、アフガニスタンのジャラーラーバード飛行場で、第7歩兵師団第16戦闘航空旅団のタスクフォース・タイガーシャークに配属された米陸軍AH-64Eアパッチヘリコプターのパイロットが任務に向けて出発準備をしている。タスクフォース・タイガーシャークは、「オペレーション・フリーダムズ・センチネル」の一環として、訓練・助言・支援司令部(東部)および駐アフガニスタン米軍を支援している。Maj. Brian Harris/16th Combat Aviation Brigade

アパッチに採用されている「統合ヘルメット表示照準システム(IHADSS)」は、乗員がどこを見ているかを正確に追跡する。単眼式のデジタルディスプレイを通じ、飛行データや照準情報を視界に直接オーバーレイ投影する仕組みだ。

メインローターは、軍用輸送機で輸送できるよう折りたたむことができるAn AH-64 Apache attack helicopter is loaded into a C-5.2012年8月31日、アフガニスタンのバグラム空軍基地で、空軍兵と陸軍兵が米陸軍のAH-64アパッチ攻撃ヘリコプターを米空軍のC-5Bギャラクシーに搭載している様子。C-5は米空軍の輸送機の中で最大の輸送能力を誇り、36枚以上のパレットと80人以上の人員を同時に輸送できる。同機の輸送能力は、陸軍の空輸可能な戦闘装備のいずれも搭載できるほど大きい。Lt. Col. Raymond Geoffroy/455th Air Expeditionary Wing

米空軍最大の超大型輸送機「C-5Mスーパー・ギャラクシー(C-5M Super Galaxy)」であれば、一度にAH-64アパッチ攻撃ヘリコプター6機を搭載できる。

今回墜落した機体は、イラン戦争で米軍が初めて失ったアパッチとなったAn AH-64E Apache assigned to the 82nd Airborne Division, prepares to land in a forward arming and refueling point in order to receive refuel before conducting operations for Operation Epic Fury in the US Central Command area of responsibility, May 2, 2026.中東の非公表の場所で撮影された米軍のアパッチ。US Marine Corps photo

アパッチの墜落について米中央軍(US Central Command)が9日に発表した声明は、詳細な状況に関して調査中だと伝えるにとどまった。しかしその日のうちに、トランプ(Trump)大統領はソーシャルメディアに、同機がイランによって「撃墜された」と投稿した。

アパッチは圧倒的な攻撃力を誇るが、無敵ではない。制空権が激しく争われる空域において、敵部隊に接近して低空飛行することが多いためだ。そのため、相手の防空システムやドローン、さらには小銃による地上からの攻撃まで、さまざまな脅威にさらされる。

9日にイラン近海で起きたこの事案の正確な状況はまだ分かっていない。しかし大統領が10日にFOXニュース(Fox News)に語ったところによれば、アパッチの乗員は不発のドローンがコックピットに突き刺さったまま炎上する機体を不時着させたと語った。

ニュースサイトのアクシオス(Axios)は、匿名の米当局者の話として、この陸軍のヘリコプターはイランのドローンに直撃されて墜落したと報じた。一方で、ヘリコプターへの衝突が意図的だったかどうかは不明だとしている。

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