2026年6月19日 午前7時30分

 【論説】バドミントンの国際ルールが、来年1月から15点3ゲーム制に変わる。現在の21点3ゲーム制よりも1点の重みが増し、序盤に流れをつかんだ方が勝利しやすくなるといわれる。2028年ロサンゼルス五輪を控えた中での大改革である。新ルールにいち早く対応することが、ロスへの道を開く鍵となりそうだ。

 注目したいのは福井が誇る山口茜選手(勝山市出身、再春館製薬所)の戦い方だ。

 ラリーから攻撃を組み立て、多彩なショットで相手を崩し、得点を重ねていくのが山口選手の真骨頂。序盤は劣勢でも、たぐいまれな思考力と精神力で徐々に試合をコントロールし、最後には勝利を収めるシーンを何度も目にしてきた。こうしたスタイルは、新ルールの下で転換を迫られるのだろうか。

 15点3ゲーム制への移行は4月の世界バドミントン連盟(BWF)総会で、加盟団体の3分の2以上が賛成して決まった。主な目的は試合時間の短縮と選手の負担軽減。BWF会長は「競技の特長を守りつつ、トップ選手がより長くプレーし、世界中のファンに感動を届けるための措置」としている。

 フィジカルを生かした攻撃より、粘り強さを武器とする選手が多い日本勢は不利になるとの見方がある。一方で「本当に強い選手は適応する」「プレーの幅を持っていることが大事」「年齢的に体力面でましになる」といった受け止め方もある。いずれにせよ勝負が早まるだけに、「試合の入り方が重要になる」(山口選手)のは間違いない。

 五輪競技では過去、競泳のバサロ泳法の距離制限や、スキージャンプの板の長さに関する規定変更など日本選手にマイナス面が大きいルール改正もあった。ただ、今回の移行はスポーツ界に近年広がる「スピード化」の流れの一つといえよう。野球の延長戦にタイブレークが導入されたり、柔道男子の試合時間が5分から4分に短縮されたりしたのも、その一例だ。

 試合時間の短縮には、テレビなどの放送スケジュールが組みやすくなるという側面もある。緊迫した試合が多くの人の目に触れファンが増えれば、スポンサーも付きやすい。過度な商業主義には賛同できないが、競技の魅力と持続性向上につながるとすれば、短縮に取り組むべきだろう。

 日本バドミントン協会はBWFに先駆けて、今年から全日本総合選手権などで15点3ゲーム制を導入する。同選手権は山口選手にとって2連覇が懸かる国内最高峰の個人戦だ。福井県人をはじめ多くのファンが「山口選手はやっぱり強かった」と確信する大会となることに期待したい。

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