6月20日、宮城県美術館(仙台市青葉区)が「宮城県美術館リニューアルオープン 全館コレクションで魅せます 美術の時代」で、約3年ぶりの再開館を果たします。
宮城県美術館は今年、開館45周年を迎えます。開館当初、約700点だったコレクション(所蔵品)は、現在では約7,000点となりました。日本美術では、地域の美術に目を向けながら、それらを近現代美術の歴史の中で捉え直せるよう、宮城・東北ゆかりの作家の作品、ならびに日本の近現代美術史の指標となる作家の作品を収集しており、海外美術では、抽象絵画の先駆者であるカンディンスキーやクレーをはじめ、ドイツ表現主義を中心とした作品を収集しています。
ドイツ表現主義は日本の近代美術にも重要な影響を与えており、宮城県美術館のコレクションは地域から世界へとつながる広がりをもって形成されてきました。本展覧会では、選りすぐりのコレクションを全館で展示し、時代とともに変化する近現代美術のダイナミズムとその醍醐味が紹介されます。
宮城県美術館リニューアルオープン
全館コレクションで魅せます 美術の時代
会場:宮城県美術館(宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1)
会期:2026年6月20日(土)~8月23日(日)
(※展示替有:後期7/15~8/23)
開館時間:午前9時30分~午後5時(発券は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(7/20(月・祝)は開館)、7/14(火)、7/21(火)
観覧料:一般700円 ※学生、高校生以下無料
アクセス:
地下鉄 国際センター駅 から徒歩3分、川内駅から徒歩3分
仙台市営バス 宮城県美術館前下車徒歩3分
タクシー利用の場合 仙台駅から約10分
自動車利用の場合 東北自動車道 仙台宮城ICより西道路に入り、仙台駅方面に進んで約15分
詳細は、宮城県美術館公式サイトまで。
宮城県美術館のリニューアルについて
宮城県美術館は、1981年の開館から40年以上が経過し、施設・設備の老朽化が進んだため、約3年をかけて大規模改修を実施。館全体にわたって改修工事が行われました。また、地下1Fに新展示室が設置されたほか、子どもたちが創作体験ができる「キッズスタジオ」や作品保存の舞台裏を鑑賞体験に組み込んだ新機軸「見える収蔵庫」などの新設も行われました。
リニューアルのポイント1:老朽化した施設・設備の更新
1981年の開館から40年以上が経過し、施設・設備の老朽化が進んだため、約3年をかけて大規模改修を実施。空調・熱源・電気・給排水などの設備更新、外構・屋上防水・劣化箇所の修繕、展示室・トイレ・エレベーターの更新などが行われています。ぜひ、生まれ変わった館内をすみずみまで歩いて楽しんでみてはいかがでしょうか。
本館エントランス
リニューアルのポイント2:アート・ラウンジの新設
旧図書室・旧映像室を「アート・ラウンジ」として再編。美術書・美術雑誌、所蔵作品データや画像の閲覧、レクチャーなどを通じて、美術館に関する情報に触れながら自由に滞在できる空間になります。従来の「観る」機能に加え、「学ぶ」「くつろぐ」「交流する」機能を拡充する改修となっています。
アート・ラウンジ
リニューアルのポイント3:キッズスタジオの新設
旧講堂が、子どもたちが素材に触れる遊びや造形体験を通して美術に親しめる「キッズスタジオ」へと生まれ変わりました。学校団体のオリエンテーションなどにも使用されます。主に、未就学児を対象にした、絵本役850冊を配架した「えほんのへや」も併設されます。
キッズスタジオ
リニューアルのポイント4:「見える収蔵庫」の新設
今回の目玉のひとつです。従来は関係者以外見ることのなかった収蔵の現場を、ガラス越しに見られるようにすることで、作品保存の舞台裏そのものを鑑賞体験に組み込んでいます。基本設計では、絵画等を収蔵状態で鑑賞できる新しい収蔵庫として位置づけられています。
見える収蔵庫
リニューアルオープン特別展について

再開館と同時に、特別展「宮城県美術館リニューアルオープン 全館コレクションで魅せます 美術の時代」が始まります。本展では、開館以来培ってきたコレクションが、新しくなった美術館全館を使って展示され、時代とともに変化する近現代美術のダイナミズムを体感できる内容となっています。
明治時代、ウィーン万国博覧会への出品を契機に「美術」という日本語が誕生しました。宮城県美術館のコレクションは明治以後、すなわち「美術」の時代の作品を対象としています。近代化やグローバル化により世界が目まぐるしく変化するなか、人々は美術の力に魅了され、多様な美術表現を生み出してきました。
会期中は一部展示替えを実施。後期からは特別出品も加え、日本近代美術コレクションの鍵となる作家に焦点を当てて深掘りするコーナーも設けられます。新しくなった美術館で、コレクションとの懐かしい再会、または新たな魅力との出会いを、心ゆくまで楽しんでみてはいかがでしょうか。
主な展示作品
高橋由一《宮城県庁門前図》1881年 宮城県美術館蔵
パウル・クレー《橋の傍らの三軒の家》1922年 宮城県美術館蔵
松本竣介 《画家の像》 1941年 宮城県美術館蔵
約3年という長期休館を経て、いよいよ宮城県美術館がリニューアルオープンを果たします。大規模改修を経た館内は、来館者の多様なニーズに応える「キッズスタジオ」や、美術館の重要な役割である収集・保存活動を間近に感じられる「見える収蔵庫」の新設など、より魅力的で親しみやすい空間へと進化を遂げました。また、開館記念展では、同館の珠玉のコレクションから厳選された近現代美術の名品が登場。ぜひ、生まれ変わった館内で、新たな芸術との出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。(美術展ナビ)