
「くくり罠」のイメージ写真(maricat / PIXTA)
2026年05月28日 13時08分
違法な「くくり罠」が、千葉県内の山中で相次いで見つかっている。
千葉県市原市は5月26日、公式Xで「人が巻き込まれる危険がある」として注意喚起した。しかし、設置者が不明なケースが多く、所有権の問題から行政側がすぐに撤去できない場合もあるという。
千葉県や市原市は、不審な「くくり罠」を発見した場合は近づかず、市や警察などに通報するよう注意を呼びかけている。
●違法でも「勝手に撤去」できない
「くくり罠」は、ワイヤーなどで動物の脚を締め付けて捕獲する猟具だ。イノシシやシカの捕獲に使われる一方、鳥獣保護法などによって、構造や設置方法には細かな規制が設けられている。
市原市環境管理課は、弁護士ドットコムニュース編集部の取材に対し、市内では昨年度から違法なくくり罠の発見が相次いでいると説明。昨年11月以降だけで3件、今年度もすでに4件確認されたため、改めて公式Xで注意喚起をおこなったという。
一方で、違法な罠だからといって、行政側が自由に撤去できるわけではない。
市原市によると、標識がないケースでは設置者がわからず、「所有権の問題もあり、勝手に撤去できない」。
危険性が高い場合は県職員らが撤去することもあるが、そうでない場合は注意看板を設置し、警察とも連携しながら対応しているという。
● 「15センチ超」は違法…千葉県独自の基準も
では、どのような罠が「違法」と判断されるのか。
千葉県自然保護課によると、鳥獣保護法では、くくり罠の輪の直径や安全装置について規制が定められている。
たとえば、「輪の直径が基準を超える」「締め付け防止金具がない」「ワイヤーのねじれを防ぐより戻しがない」といった場合は、違法となる。
国の基準では、輪の直径が12センチを超えるものは禁止されている。一方、千葉県では独自の基準を設け、15センチを超えるものを違法としている。
県によると、罠が大型化すると、人が巻き込まれる危険性や、本来想定していない動物を誤って捕獲する「錯誤捕獲」のリスクが高まるため、15センチを上限としているという。
県内で確認されている違法罠については、「輪が大きすぎるもの」や「締め付け防止金具が適切に機能しないもの」が多いとしている。
●「誰が設置したのかわからない」
こうした違法なくくり罠は、市原市だけでなく、君津市や富津市など、県南部を中心に確認されている。
ただ、設置者や目的はわかっていない。
くくり罠は、イノシシやシカ、キョンなどを捕獲するために使われることが多い。しかし、県自然保護課は「足のある動物なら基本的に何でも捕まる。何を狙っていたのかはわからない」と説明する。
また、発見されている罠の多くは手製ではなく、インターネットなどで流通している市販品だという。
県によると、こうした違法な「くくり罠」の問題は「ここ最近の傾向」だといい、「10年前にはあまり聞かなかった。去年の市原市の事例あたりから目立つようになった」と話している。
県と市は、不審な罠を見つけた場合、自分で触ったり撤去したりせず、市町村や県自然保護課、警察に通報してほしいとしている。
