環境の専門家の見解はやや異なる。
環境運動家で反体制活動家でもあるエフゲニー・ビティシュコ氏はCNNの取材に、「これは本格的な環境災害で、少なくとも地域規模の広がりを持つ。ここ数年、こんな例は皆無だった」と指摘した。
CNNが検証した衛星画像や動画には、石油がトゥアプセの川や海まで流出した様子が映り、黒海の一部沿岸は今も燃料油で黒く染まっている。ただ、主要ビーチの一部では28日までに清掃が完了したように見える。
新たな攻撃の前の26日に撮影された衛星画像の分析では、油の痕跡が海岸から少なくとも50キロ沖まで広がっていることが確認された。クレンコフ非常事態相は28日、「海への流出の可能性」を防ぐため、「近く」防護柵を設置する方針を発表した。

4月28日に撮影された衛星画像。トゥアプセの石油精製所への新たな攻撃の後、有毒な煙の雲が立ち上る様子が写っている/Vantor
拡大するウクライナのエネルギー施設攻撃
ウクライナは28日の攻撃後に出された軍参謀本部の声明で、製油所への3回の攻撃すべてについて「侵略者であるロシアの軍事的、経済的潜在力を低下させる取り組みの一環」として実施したことを認めた。

トゥアプセ石油精製所がドローン攻撃を受け、建物の上空に煙が立ち上っている様子=4月29日/Stringer/AFP/Getty Images
ウクライナ政府は数カ月にわたり、ロシアの重要エネルギーインフラに対する長距離ドローン攻撃を強化してきた。ロシア政府の戦費を削りつつ、兵站(へいたん)を複雑化させる狙いがある。ウクライナのゼレンスキー大統領は3月下旬、米イスラエルとイランの戦争による世界的なエネルギー供給の混乱でロシアが利益を得る中、一部の支援国からは自制すべきとの「シグナル」も出ているが、ウクライナは攻撃を継続しており、さらなる強化にも踏み切っていると説明した。
ゼレンスキー氏は「ウクライナのエネルギー部門への攻撃をやめる用意がロシアにあるなら、我々もエネルギー部門への報復は行わない」と表明した。ロシアによる度重なるウクライナの電力インフラへの攻撃は大規模停電を引き起こしており、戦下の4回の冬を経て状況は悪化している。
30日には、ウクライナ国境から約1450キロ離れたロシアの都市ペルミでも、エネルギー施設が2日連続の攻撃を受け、煙が立ち上った。ウクライナ政府は29日、ペルミの石油ポンプ施設を攻撃したと確認。ペルミの知事も「工業用地の一つ」がドローン攻撃を受けたことを認めた。
