
自衛官(左)から仕事内容や採用試験について説明を受ける来場者=4日、青森市のドリームタウンALi
全国で自衛官の採用試験申込者数が減少を続ける中、自衛隊青森地方協力本部(青森市)は、商業施設での市民向けイベントを通して採用強化に努めている。初任給増額や採用試験時の頭髪基準緩和など、待遇改善と併せてPRに懸命だ。
「自衛隊は職種が幅広く、本人の適性に合った仕事があります」。4日、青森市の「ドリームタウンALi」に設けたサテライトブースで、自衛官が来場者に丁寧に説明していた。
こうした活動は昨年から実施。今年は5月31日から6月29日までブースを開設している。現職自衛官からやりがいや職場環境を聞くことができるだけでなく、採用試験のアドバイスも受けることができる。また、陸海空各自衛隊の制服着用体験や、仮想現実(VR)を使用して航空機ブルーインパルスなどの搭乗体験ができる。
ブースを訪れた男性は「陸上自衛隊の制服は想像以上に頑丈なつくりだった。災害救助の現場で人を助ける自衛官を尊敬する」と話し、自衛官への理解を深めた。
同本部によると、全国の大卒・高卒を合わせた一般曹候補生(原則定年まで雇用)の受験申込者数は、2020年は2万9848人だったが、21年は2万8426人、22年は2万4841人、23年は1万9960人と4年間で約1万人減少している。23年の採用想定人数の充足率は約70%にとどまった。
防衛省は人材確保のため、24年4月から自衛官の初任給を約3万円増やした。大卒の一般曹候補生の場合、20万9500円から23万9600円、高卒は19万8800円から22万4600円になった。さらに、採用試験時の頭髪はこれまで男性は丸刈り、女性はショートカットとしてきたが、男性はスポーツ刈り、女性は肩にかからないようにまとめるなどとし、体重の制限も緩和した。
自衛官は国の防衛や災害現場への派遣で国民の生活を守る仕事。自衛官の数が減ると、地震や台風などの自然災害時に救助や復旧活動が遅れる可能性がある。同本部募集課の浅野浩広報班長は「自衛官は災害のとき人命最優先で救助に向かう。人のために活動することにやりがいを感じる」と語った。
陸自青森駐屯地の宗形優月さん(19)は「自衛隊の魅力は幅広い年代が集まり苦楽を共にするところ。国民のために行動したい人は自衛官を職業の選択肢の一つにしてほしい」と呼びかけた。
