福岡県太宰府市で、日常的に医療的サポートが必要な「医療的ケア者」の避難訓練が行われました。災害時の避難先の環境が、命に直結する人たちをどう守るのか。訓練を通して課題も見えてきました。

■市の保健師
「さっきも鼻水が出ていましたが、移動のあと、たんがたまりやすいですか?」
■悠さんの母
「たまるというより、動いて出てきてしまう感じです。」

福岡県太宰府市の吉田悠(はるか)さん(20)です。

悠さんは1歳の時に、細菌感染による髄膜炎で手足にまひが残りました。

日常的にたんの吸引やのどの加湿を行い、夜間は人工呼吸器を使うなど、医療的ケアを必要としています。

悠さんのような医療的ケア者や家族が、災害時でも命の危険なく過ごせるように。太宰府市は6月11日、初めて医療的ケア者の避難訓練を実施しました。

市内にレベル3大雨警報・高齢者等避難が出された想定のもと、悠さんと母の智美さんは自宅から車で避難施設に向かいます。

電源を必要とする医療機器。避難所に設置された非常用電源を使用します。

■訓練
「電源も全部入っているので大丈夫。」

大勢が集まる避難所では対応が難しいこともあるため、福祉避難エリアを設けました。

■母・智美さん
「(ベッドが硬く)基本的にこれは悠じゃなくても、寝返りをうてない子はきついよね。」

問題点も見えてきました。

今回の訓練は、去年夏から作り始めた悠さんの個別避難計画をもとに実施されました。

市や医療的ケア者の事業所などが、必要な道具や避難の課題について洗い出す目的もあり、訓練後は活発に意見が交わされました。

■訪問看護師・荒武裕子さん
「マットの硬さや、その上に持ってくるものがこういうのも必要だったねと、出てきました。」
■母・智美さん
「やはり普段と違う動き方。コンセントに挿し忘れていたり、酸素ボンベを忘れていたり。保健師さんのダブルチェックはありがたいと思いました。」
■父・祐樹さん
「1回で避難してこないといけないので、本当に必要なものが何なのかを選定するのが難しかったと思います。」

今回の訓練では「避難所の寝具などの整備不足」や「医療機器の音について、ほかの避難者への配慮をどうするか」など、複数の課題が浮き彫りになりました。

太宰府市によりますと、現時点で市内には医療的ケア者が10人、医療的ケア児が13人いるということです。

災害時に誰も取り残さないように。太宰府市では医療的ケア者の家族や対応する事業所などと連携し、個別の避難計画を立てるなどして、災害時の備えを進めていく方針です。

※FBS福岡放送めんたいワイド2026年6月12日午後5時すぎ放送

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