世界遺産への登録の見通しとなった「飛鳥・藤原の宮都」。19の構成遺産のうち15か所が所在するのが奈良県明日香村です。
■遺跡を守った「明日香法」
この村だけを対象にした国の厳格な法律、通称「明日香法」によって美しい景色が守られてきました。
1980年に制定された「明日香法」は、明日香村の歴史的風土の保存と生活環境を整備する目的で制定されました。高松塚古墳の壁画の発見がこの法律を後押しすることにもつながりました。
この村の全域が特別保存地区となっていて、「田んぼの駐車場への転用禁止」「壁は木材、漆喰、類似の素材でも可」「屋根は瓦」「新築・増築は要許可」「バルコニーは景観を損ねないように景観に配慮が必要」などが定められています。このような法律で村の景色が守られてきました。

世界文化遺産への登録の見通しを受けて、30年近く明日香村の遺跡を調査している明日香村文化財課の西光さんは「世界遺産の登録は村民にとって郷土の誇りや生活への活力をもたらす大きな指針となっていくのでは」と話されています。

■課題は”魅力発信”
一方で自治体は課題も感じています。1つ目は「魅力の伝え方」です。
飛鳥宮跡や大官大寺跡などは、”跡”ということでこの実際の構造物が目の前にない状態でイメージしにくいものが多いので価値をどう伝えるか工夫が必要だということです。
また、この世界文化遺産の登録によって観光客の増加を期待する一方で、明日香村の森川村長が常に話していたのが「明日香村を大切にしてもらえる人にゆっくり来てほしい」ということ。
■オーバーツーリズム対策
2つ目の課題が「オーバーツーリズム対策」です。
道が狭く交通渋滞が起こりやすいため、車の台数制限をする必要があるということなんですが、電動カートでめぐるツアーが先月開始されたほか、観光バス・駐車場を予約制にすることで渋滞が起こりにくい状況を作ることも検討中です。
