「管理的な仕事をしていると、『女性なのに頑張っているね』と言われた」。これは実際に鳥取県民からあがった声だ。こうした性別役割分担意識など性別によるアンコンシャス・バイアスの弊害をなくすため、県主導の運動が始まった。自治体や各種団体が核となり、誰もが個性と能力を発揮できる環境づくりを目指す。(木元悠吾)

県民運動発足の会議に出席した関係者(鳥取市で)県民運動発足の会議に出席した関係者(鳥取市で)

 「キズキアイとっとり県民運動」と命名され、自治体や商工会議所、学生などの43団体で構成される。名称には、思い込みに「気づき合い」、よりよい社会を「築き合う」という思いが込められた。各団体は目標や取り組みをアクションプランにまとめ、行動に移す。県や団体のホームページでプランを公開し、運動を職場、地域、家庭に広める役割を担う。

 県は男女共同参画の推進に力を入れ、県職員の管理職に占める女性の割合が10年連続全国1位(2025年度)となっている。一方、学生や若手社会人による「みんなで
話彩(はなさい)
やチーム」が県民と意見交換した際、▽「人手不足なので男性の育休は2週間以内」と言われた▽PTA役員は母が多いのに会長は父――など不満の声が多数あがった。運動を始める背景には、このような具体的な県民の声があった。

 また、県内の自治会長の女性が5%(2025年度)で、地域活動の意思決定に女性の参画が少ないという実態もある。

 14日には鳥取市で会議が開かれ、「一人ひとりが個性と能力を発揮し活躍できる環境づくりと意欲向上につながる取り組みを実践する」など3条からなる共同宣言を全会一致で採択した。

 共同宣言に賛同する団体やアクションプラン作成団体は県に登録でき、県が支援する。団体は、福利厚生の充実など県が定める男女共同参画の目標を二つ以上達成した企業向けの補助金や、性別役割分担意識の解消に取り組む業界団体向けの補助金を新たに活用できる。女性役員増に向けた規約の改正や女性の会長就任を達成した自治会向けにも支援制度を用意した。

 県は運動のロゴ・シンボルマークを6月22日まで募集するなどPRにも努める。平井知事は「運動の主役は県民。県は潤滑油の役割を果たしていく」と運動の広がりに意欲を示している。

 
◇アンコンシャス・バイアス=
経験や環境によって無意識に生み出される、男女や人種、貧富などに対する偏った物事の見方を指す。完全に払拭(ふっしょく)することは難しいとされる。

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