バレエダンサー、殿岡遥さん(24)。中学3年で単身フランスへ渡ってバレエを学び、現地のバレエ団でキャリアを積んできた。今年から谷桃子バレエ団の一員となり、5月には「眠れる森の美女」の主役、オーロラ姫を演じる。公演を前に、4月30日には出身地の松戸市の市役所を訪れ、「フランスで学んだことを、お世話になった日本の方々へようやくお見せすることができる」と抱負を語った。
3歳の時、近所のお姉さんのバレエの発表を見に行った。演目は「ジゼル」。「自分は覚えていないけど、母親の膝の上に立って、最後は号泣していたそうです」。すぐにバレエを習い始めた。中学生になり、憧れのフランスのダンサーが引退し、教える立場になると知った。「自分も教わりたい」。留学を決めた。
フランスでは言葉の壁だけでなく、基本的な手や足の動きの違いにも苦労した。それでも一歩ずつ前へ進み、パリ国立高等音楽・舞踊学校で学び、2020年のローザンヌ国際バレエコンクールではセミファイナリストになった。新型コロナで帰国を余儀なくされた時期もあったが、2022年から南仏のトゥールーズ・キャピタル・バレエに所属し、ソリストやプリンシパルロールを務めるまでになった。
そして今年2月、日本を代表するバレエ団の一つ、谷桃子バレエ団に入団した。帰国の理由は「フランスで学んだことを、日本でお世話になった方々に届けたかった」からだ。さっそくつかんだのが、オーロラ姫だった。
4月30日には、髙部尚子芸術監督やプリンシパルの三木雄馬さんらとともに、地元の松戸市役所を表敬訪問した。松戸隆政市長から公演を直前に控えた気持ちを聞かれると、「配役が発表された時から緊張していて、公演が近づくにつれ不安も増してきた」と明かした。しかしその不安は、チケット販売が始まると吹き飛んだ。「これまでお世話になった人たちが『買ったよ』と連絡をくれた。中学校の同級生は、女の子だけでなく男の子からも。それで頑張ろうと前向きになり、今では公演が楽しみ」。笑顔をみせていた。
「眠れる森の美女」の公演は5月16、17日に千葉県文化会館で。「お客様のために踊ることが、今の私の幸せ」。そう思いながら、殿岡さんは初日の昼公演で舞台に立つ。


