韓国の李在明大統領が23日、就任後初めて日本を訪問した。午後に石破茂首相との首脳会談に臨む。北朝鮮を含む東アジアの安全保障環境を巡る不透明感が高まる中、日韓が未来志向での連携強化を確認できるかが焦点となる。

South Korea President Lee Jae Myung Speaks at Presidential Appointment Ceremony

李在明大統領

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  韓国の新大統領が同盟国である米国よりも前に来日するのは異例だ。李氏は日本に敵対的な言動で知られていたが、日韓関係重視の姿勢を内外に示すことができるかが課題だ。参院選大敗で苦境に立つ石破首相にとっては大統領と信頼関係を構築して外交手腕を発揮できれば、自民党内からの退陣圧力をけん制できる。

  李大統領は15日、日本の植民地支配からの解放を記念する「光復節」の演説で、日本を「不可欠なパートナー」と位置づけた。

  林芳正官房長官は15日の記者会見で、日韓は「互いに国際社会のさまざまな課題にパートナーとして協力すべき重要な隣国」だと指摘。今回の大統領訪日で「日韓関係が安定的に発展することを期待している」と述べた。

  23日付の朝日新聞によると、大統領は未来志向の日韓関係に向けて新たな「共同宣言」を出すことに意欲を示したと同紙などに書面で回答。慰安婦や元徴用工を巡る問題に関する過去の政権での合意や解決策について「簡単に覆すことはできない」と述べたという。  

  今回の首脳会談に関し、若者が働きながら外国に長期滞在できる「ワーキングホリデー」制度の拡充で合意するとの見通しを複数の日本メディアが報じている。

  日韓両政府は同制度の査証(ビザ)については、相互に2回までの取得を可能とする方向で最終調整に入ったと朝日新聞が報道した。これまでは1回のみだった。この新ルールは早ければ10月にも導入される可能性がある。

Japan's Ruling LDP Discuss Prime Minister Ishiba's Fate

石破茂首相

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  両首脳の対面による会談は2回目。6月にカナダでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)の際に行った会談では、北朝鮮問題を含む地政学的リスクに対応するため、米国との3国間協力を強化することで合意した。首脳が互いの国を頻繁に訪問する「シャトル外交」の活用を含め、緊密に意思疎通を続けることでも一致した。

日米韓

  日韓関係は尹錫悦前大統領と岸田文雄前首相の時代に「シャトル外交」再開にこぎつけるなど大幅に改善した。長年の歴史的対立を脇に置き、米国との3国間協力を強化し、当時のバイデン大統領と3カ国首脳会談も開いた。

  3人が全員交代したことで、日米韓協力の枠組みが指導者交代に耐えることができるかどうかに改めて注目が集まっている。 李大統領は24日まで日本に滞在した後、米国を訪問。25日にトランプ大統領との首脳会談を行う予定だ。

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