佐賀県PTA新聞掲載コラム

2025/06/10 00:42

佐賀新聞社の記者がつづる教育や子育てをテーマにしたコラムです。

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 小学生最後の夏休み。娘と唐津市七山の渓流滝登りに参加した。冷たい川の中を1・5㌔ほどさかのぼり、激流に逆らってロープづたいに岩場を上るなどしてゴールする。何度か取材し、いつか娘と出場したい、と考えていた。

 誘った時、娘に「いいけど、私が無理と思ったことはさせないでよ」と釘を刺された。毎年夏にはコースに近い七山の川で、似たような川遊びをしてはいた。それでも出場者の大半が大人で、ヘルメット着用。難易度が違い、娘にできるか、父にも不安はあった。

 取り越し苦労で、娘はぐんぐん突き進む。こちらも童心に帰り、はしゃいだ。終盤には大人でも足が着かない深みを、ロープを頼りに一人で渡りきった。待っていた妻が、地元のお年寄りに不安を語ると「子どもは進むにつれてどんどん勇気が出てくる」と言われたそうだ。序盤はなるべく川に入らず河原を歩く体力温存作戦を取ったが、ゴール後、娘には「もっとやりたかった」としかられた。

 大人を子どもにし、子どもを大人にするイベントなのだろう。帰りしな、車の後部座席で眠る娘。遊んでもらっているような気がしてきた。(佐賀新聞社 宮﨑勝)

※佐賀県PTA新聞2024年8月・9月号に掲載

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