香川県内で狂犬病の予防注射の接種率が低迷している。毎年義務づけられている注射を受け、証明票を受けた犬はここ5年間、6割前後で推移し、全国平均を下回っている。4~6月は「予防注射月間」で、県などは接種を呼びかけている。(黒川絵理)狂犬病の予防注射を呼びかける高松市のポスター狂犬病の予防注射を呼びかける高松市のポスター 狂犬病予防法は、飼い主が市町村に犬の登録をし、年1回、狂犬病の予防注射を受けて、交付される「注射済票」を犬につけることを義務づけている。違反した場合は20万円以下の罰金となる。

 群馬県では今年2月、狂犬病の予防接種を受けていない四国犬が庭から逃げ出し、小学生ら7人にかみつく事態を起こしたとして、飼い主の男性が過失傷害と同法違反(無登録、予防注射未接種)などの疑いで、男性の妻が過失傷害などの疑いで書類送検された。 厚生労働省によると、狂犬病はウイルスをもった犬などにかまれるなどして発症する。錯乱や意識不明に陥り、致死率はほぼ100%。予防注射の普及で、国内では1960年代以降、発生は確認されていない。 ただ、全国では予防注射の接種率の低下傾向が続いている。厚労省によると、85年以降はほぼ100%で推移してきたが、96年頃から減り始め、2000年度には8割を下回った。 県に登録された犬は22年度末で約6万9000頭で、このうち注射済票を受けたのは約4万4000頭。接種率は63・7%となり、全国平均の70・9%より7・2ポイント低い。18年度末の58・3%(全国平均71・3%)からは増加しているものの、全国平均を下回る状態が続いている。 特に高松市は22年度末で56・7%と低迷。市生活衛生課によると、低迷している理由は▽「家から出さないから接種しなくてよい」などと飼い主が誤解している▽注射済票が即交付される県獣医師会指定の動物病院以外で接種を受け、注射済票の交付手続きをしていない▽犬の登録をしておらず、注射済票が交付されないなどのケースが考えられるという。 同市は今年3月から従来、保健所などの窓口に限っていた注射済票の申請について、オンラインでの受け付けも開始。今月19日まで各地域のコミュニティセンターなどで集団接種も実施している。県内での接種費用は注射済票の手数料も含めて3000円で、県生活衛生課は「飼い主の義務なので、必ず受けてください」と呼びかけている。

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