ARROWS Journal

JOURNAL #5442026.05.01更新日:2026.05.01

広報:空飛ぶ捜索医療団”ARROWS” 編集部

PXL 20260428 053158313

4月27日、待望の雨。翌28日にもまとまった雨が降ったことで、山林火災は収束の兆しを見せ始めました。地上からは釜石大槌消防、県内応援隊、緊急消防援助隊に、釜石・大槌消防団を含め、総勢およそ1400人が消火活動にあたり、さらに自衛隊、防災ヘリが空中からも散水を続け、民家のある集落や地区までの延焼を食い止めてきました。

4月22日の発災から連日連夜続けられてきたこの消火活動に加えて2日連続での降雨によって火の勢いは止まり、災害対策本部では民家まで延焼が及ぶ可能性は極めて低いと判断。4月29日には一部を除く地域の避難指示が解除され、翌30日には最後に残った長井地区も安全と判断されて、午後4時30分、全域で避難指示解除が発表されました。

PXL 20260430 070629820

建物被害は、住家1棟を含む8件の全焼が確認されましたが、人的被害はゼロ。「健康被害を防ぐ」をモットーに活動を続けてきた保健医療福祉調整本部は、大きな健康被害の報告はなく、すべての避難所も閉鎖されたことで、30日に解散しました。

日常に戻る幸せ、生きる力に

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、24日に看護師2名が現地入りし、保健医療福祉調整本部の指揮下で支援活動を開始。主に避難所で生活を余儀なくされた方々の健康を日々チェックし、慣れない環境下で少しでもストレスを減らし、快適に過ごしてもらえるように、避難所内やトイレ掃除をはじめとする環境改善にも努めてきました。

避難生活はいつまで続くのか、家は大丈夫だろうか、不安が募るなか、特に高齢者にとって避難生活は精神的にも肉体的にもとても厳しいものです。避難所を訪れると、「いつもありがとうございます」とニコニコと答えてくれますが、胸中は常に不安に支配されています。

4月28日の一部避難解除を受け、夕方にご家族が迎えに来て家に戻るという、ひとりで避難されていた80代の方が、その胸中を語ってくれました。

「ここにいると、震災とかの悪い思い出ばかりを考えてしまってね、家族とも離れてひとりぽっちで寂しかったけれど、でもようやく帰れる。これから家に帰って孫とかも戻ってくれば9人家族の生活。またにぎやかな暮らしが始まると思うと本当にうれしいね。私はお花がとても好きで、家に帰ったらおうちで好きなお花を育てたり、散歩しながら公園のお花を見るのが楽しみ。家が通学路の前なので、朝学校に通う子どもたちの『おはようございます!』という元気な声がまた聞けるのも楽しみだね」

ある方は、避難指示解除が発表されると、すぐに帰る準備を始め、支度を終えると避難所の入口の前でウロウロしながらお迎えを待っていたといいます。

空飛ぶ捜索医療団では、少しでも早く避難者が家に帰れるように、市と連携して移動手段のない避難者1名をご自宅まで移送、また避難所の集約にともない、ひとり別の避難所へ移動しなければならなくなった方の移送を担当しました。

車が避難所に到着すると、帰宅するおばあさんは急いで車に乗り込み、車中、看護師とうれしそうに話をしながら家に戻られたと報告がありました。

PXL 20260430 015601734すべての避難者が帰宅し閉鎖された避難所うれしい反面、不安も

一方で、日常が戻ることがうれしい反面、今後の不安の声も聞かれました。

「家に帰れるのはとてもうれしいけれど、やっぱり不安もあるね。津波に地震に、今回は山火事に遭って。お父さんの体も心配だし、またいつくるかわからないからね」

避難したご家族には、お父さんが詰所で消化活動にあたっていた消防団員で1週間ほど会えず、不安と寂しさを抱えたという子どもがいます。また、一部地区では自宅や避難所から見えるところまで火の手は狭まり、それを目の当たりにした子どものなかには、山火事の恐さが心の中に深く残ることもあります。そして――

20260430 140029566吉里吉里に建てられた石碑

15年前、大槌町は東日本大震災による津波で、壊滅的な被害を受けました。多くの人がその忘れられない記憶を抱えながら、今回の山林火災でまた大きな災害を体験しました。

これからも大槌町を支える支援を考え続けるPXL 20260430 0415402644月30日、吉里吉里地区。火災のあった森林には木が焼け焦げた炭のようなにおいがあたり一面に漂っている

山林火災は、表面が消火されたとしても地中に熱源が残っていれば、それがなくなるまで鎮火には至りません。そのため4月30日、全域での避難指示解除に伴い、消火部隊も少しずつ縮小されていきますが、避難指示が解除された後も熱源調査は続き、もしも火種があれば消火剤などで一つひとつ消していく地道な作業がこれからも続きます。

b8b80e3f15f0c89500be8b54a5c9eaf14月30日、吉里吉里地区。斜面一帯は黒く焼け焦げ、木の上のほうまで焼け焦げたエリアもある。この光景が何キロにもわたって続く

4月30日、災害対策本部からの発表によると、焼損面積は小鎚、吉里吉里地区合わせて1,633haにも及びます。住民にとって、憩いの場だった森林は黒く焼け焦げてしまい、また美しい森林が再生されるには長い年月と多くの労力が必要になってきます。

避難指示が解除されたことで、住民は9日間続いた避難生活を終えました。これで一時的に閉店していたお店なども再開し、町には平穏な日常が戻ってきます。

PXL 20260426 092806013

空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”の緊急支援活動も5月1日を持って一旦終了しますが、火災が収束し日常が戻ってきたとしても、心のケアを必要とする人がいます。災害が人びとに与えた影響は大きく、空飛ぶ捜索医療団は目に見えない部分でのサポートも含め、今後も大槌町のために何ができるのか、求められるニーズを調査しながらできる支援を考えていきます。

▶Yahoo!ネット募金
https://donation.yahoo.co.jp/detail/925100
▶READYFOR
https://readyfor.jp/projects/support_Otsuchi
▶CAMPFIRE
https://camp-fire.jp/projects/view/947537
▶ふるさとチョイス
https://www.furusato-tax.jp/gcf/5265

▶「セブンマイルプログラム」にて、 マイルの使いみちとして岩手県大槌町山林火災 緊急支援への寄付を選択いただけます。
https://www.7mp.omni7.jp/#/reward/detail/950020200306103000

\簡単!2分でできる被災地支援/
ARROWSサポーター申込フォームへのボタン画像です

Share.