ブラインドサッカー専用コートの設置に尽力した中山さん(上郡町で)
上郡町の山間部に広がるダイセル播磨光都サッカー場。サッカー場やフットサルコートが集積する中、西日本では唯一となる視覚障害者らの「ブラインドサッカー」の専用コートが設置されている。 広さはフットサルコートと同じ縦40メートル、横20メートル。異なるのは、サイドラインの代わりに、アルミの骨組みに樹脂パネルを取り付けたフェンスが設置されている点だ。ボールがサイドラインを割ることを防ぎ、選手がピッチの大きさや向きを把握する役割も担う。 フェンスは高さ約1メートル、横2メートル、重さ約4キロで、両側に21個ずつ並べているが、専用コートができるまでは、利用者がその都度、設営していた。「視覚に障害のある選手らで取り付けると2時間以上もかかる」とサッカー場を管理する西播磨サッカー協会の中山剛さん(48)は話す。 専用コートの設置は、選手らが福岡県から運んできたフェンスを設置するのを手伝い、作業の大変さを実感した中山さんが「常設してはどうか」と日本ブラインドサッカー協会に掛け合って実現した。2022年12月に専用コートとして認められ、今では西日本各地のチームが利用する。 協会によると、国内の競技人口は30チーム約700人(昨年5月現在)。フェンスは1セット約400万円と高価で、利用者も限られるため、専用コートの設置が進まないという。 中山さんは13年から4年間、聴覚障害者らの「デフサッカー」の男子日本代表監督を務めた。主審が笛と旗を使う以外、健常者のサッカーとルールは変わらず、代表クラスの選手のプレーはそれなりのレベルにある。社会人や大学のチームに練習試合を申し込み、「けがをさせてしまうのでは」「試合の勝手がわからない」などと断られる度に、丁寧に説明してきた。 ブラインドサッカーにも思いは重なる。「相手がいない。道具がない。そんな理由であきらめるなんて不幸だ」と感じている。 時を同じくして、ブラインドサッカー支援の輪は広がる。サッカー場のネーミングライツを取得する化学メーカー「ダイセル」(大阪市)は昨年5月、協会とパートナー契約を締結。選手を社員として雇用し、社員研修施設を合宿所として貸し出すなどする。 障害者サッカーの普及に情熱を注ぐ中山さんは、神戸市で開かれる世界パラ陸上競技選手権大会にも着目している。「スポーツは、プレーする人、見る人、誰もが楽しむもの。障害の有無は関係ない。そのことを改めて示すイベントとして成功することを祈っている」。スポーツの持つ力を信じている。(古市豪)<ブラインドサッカー>
フィールドプレーヤー4人はアイマスクを装着。晴眼者や弱視者が務めるゴールキーパー、相手ゴール裏に立って味方にゴールの位置や距離、シュートのタイミングなどを伝えるガイド、ベンチの監督の声を聞きながらプレーする。転がると音が鳴るボールを使う。
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