仲良し夫婦もいれば、浮気や二股、はたまた<小悪魔>も――。約60羽のケープペンギンの性格や関係性を網羅する京都水族館(京都市下京区)の「ペンギン相関図」。愛らしい姿からは想像し得ない愛憎劇は「昼ドラ」さながらだ。
4年制大進学最高64.9%…京都府立高卒、少子化や新学部増
飼育員が得た情報が詰まったペンギン相関図一夫一婦制、試行錯誤の相手選び
「はな」は昨年、付き合っていた「なか」に浮気された。その反動からか、現在は思わせぶりな行動で3羽のオスを
翻弄(ほんろう)
する。3羽は激しく攻撃し合ったり、恋わずらいで食欲不振気味になったり。
基本的に一夫一妻でつがいとなるケープペンギンにとって、パートナー選びは重要だ。南極などに生息するコウテイペンギンなどの種は仲間と協力して子育てするが、温暖なアフリカ大陸に生息するケープペンギンは、巣作りや子育てを夫婦で協力して行う。恋をして、<お付き合い>の中で試行錯誤し、生涯の伴侶を見極める。めまぐるしく変わる関係性
エサの小魚をせがむ「うしわか」(右から4羽目)。子どもの間は羽の色がグレー(京都市下京区で) そのため、関係性はめまぐるしく変わる。相関図のカップルは、いつの間にか破局していることも珍しくない。 昨年末に誕生した「うしわか」は、大人ペンギン顔負けの体格のよさと泳ぎのうまさで注目されつつあり、ペンギンたちの恋模様に一石を投じそうだ。一方、仲良し夫婦の「うめ」と「たけ」は安定した関係を築き、いつも似たような格好で寄り添ってくつろいでいる。
同じ姿勢でくつろぐ仲良し夫婦の「うめ」と「たけ」(京都市下京区で)
相関図にびっしりと書き込まれた一言メモや、関係性を示す線は、飼育員らの日々の記録の
賜物(たまもの)
だ。
同館が初めて相関図を作ったのは2019年。京都の「通り名」に由来する名前を付けた個体を飼育員らはつぶさに観察する。羽づくろいをするペアの変化に目を光らせ、時に縄張り意識の強いペンギンたちにくちばしで足をつつかれながらも、最新のペンギン関係を収集する。情報を突き合わせ、毎年、4か月ほどかけて最新版を作成しているという。乱獲、エサ減少、重油流出で絶滅の危機 相関図は来館者のほか、SNSでも「おもしろい」「カオスすぎる」と話題だ。愛らしい姿にファンは多い。 野生のケープペンギンをみると、1900年代初めには150万~300万羽いたとされるが、人間による卵の乱獲などにより、50年代には30万羽にまで減少。その後も、沿岸部の開発や漁業によるエサのイワシの減少、船の重油流出事故などで現在は3万羽ほどに。「2035年までに絶滅する可能性がある」とされている。 同館も飼育ペンギンを守ろうと、繁殖や健康管理に気を配る。相関図を作るのは、ペンギンたちを保護する取り組みの一環だ。関係性を把握することは、繁殖はもちろん、振られると元気や食欲がなくなるペンギンの体調管理にも役立っている。 飼育員の小野地慧さん(29)は「まずはペンギンのおもしろさやかわいさなどの魅力を知ってもらい、人間との共存で数を減らしているという厳しい現状についても、関心を持つきっかけにしてもらえたら」と話す。(畝河内星麗)ご飯への情熱に個性…飼育員・小野地慧さん
ペンギン飼育員の小野地さん=京都水族館提供 よく、ペンギンの名前をどうやって覚えているのかと聞かれます。 違いが分かりやすいのは<食事の時間>。1羽ずつ名前を呼びながら「ご飯」を与えるのですが、他のペンギンの魚を奪う子や、「呼ばれたら行きます」とすまし顔で待つ子も。ついツッコミたくなるような個性の強さで、自然と覚えていました。 よく見ると、目やくちばしの大きさはそれぞれ異なっています。ぜひペンギンたちの豊かな表情に注目してみてください。
![[#kyoto] ケープペンギンの恋、昼ドラ級カオス…京都水族館の「相関図」SNSでも話題 [#kyoto] ケープペンギンの恋、昼ドラ級カオス…京都水族館の「相関図」SNSでも話題](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/05/1714699997_20240501-OYO1I50020-1-1024x576.jpg)