第6局観戦記(前編)はこちら>>第8譜…井山のペース
◇白 挑戦者 井山裕太(2勝3敗)×黒 棋聖 一力遼(3勝2敗)

(コミ6目半)

111~121

持ち時間 各8時間(白3・49分 黒4・42分)

 黒11の出に、井山は白12のケイマ。一力は黒13と受ける。後に参考図で示すように、黒は右辺を無条件では渡れない。井山は白14、16と出て黒を分断する。右上の黒を取ろうという狙いだ。白を攻めてポイントを挙げようという一力の狙い通りにいかず、井山がペースをつかんだ。一力は険しい表情で19分間考え、117手目を封じた。 対局2日目の朝、対局室の窓からは、霧雨が見えた。一力の封じ手、黒17のカケツギから戦いが再開された。井山は当然、白18とさえぎる。 黒17で参考図、黒1と下がる変化が終局後に検討されたが、白2、黒3以下、黒がつながろうとすると、白8と放り込んでコウになる。白には白10のコウダテがあり、黒は受けていられない。黒13まで右上でもうけても、白は右下を取って、白18とつながる。解説の伊田篤史九段は「右下の黒6子をのみ込んで、白がよさそうです」と話す。 黒19に代えて黒20なら、白はイのハネ。以下は参考図と同様、黒ロ、白ハ、黒ニ、白ホ、黒ヘの時、やはり白トが厳しい。(渡辺達治)盤面を見つめる井山王座=守谷遼平撮影盤面を見つめる井山王座=守谷遼平撮影第9譜…二段コウ
◇白 挑戦者 井山裕太(2勝3敗)×黒 棋聖 一力遼(3勝2敗)

(コミ6目半)

122~136

持ち時間 各8時間(白4・37分 黒6・03分)
黒27コウ取る(23)、白30同(24)、黒33同(23)、白36同(24)黒27コウ取る(23)、白30同(24)、黒33同(23)、白36同(24) 白22に一力が黒23と仕掛け、右上隅は二段コウだ。黒から解消するのに3手かかる。白22に代えて白23なら、右上隅の白は生きだが、これはまずく、黒イが隅の眼を取りに行くのと、右辺のワタリをみることを兼ねた手となる。実戦は隅の白がしぶとい。終局後、一力は「二段コウではこちらがちょっと苦しい」と振り返った。11(4の上)11(4の上) 白22では参考図、白1も有力だ。黒2に白3とコウにはじき、黒4に右下で白5とこすむ。黒は6から10までで生き、白は11のコウ取り。実戦では、後に7の位置に黒石が来て、白が切り離されることになるが、この図なら手順で白7を打てる。解説の伊田篤史九段は「白にとって実戦よりも簡明でした」と話す。 白24と取り、コウ争いが始まった。途中、黒29に代えて黒ロ、白29、黒コウツギ(ロの上)の変化は、白ハ、黒ニ、白ホ、黒イ、白ヘで、白の大石を捕まえられないうえに、右下の黒には白トからの死にが残る。(渡辺達治)あごに手を当てて考える一力棋聖あごに手を当てて考える一力棋聖 1 2 3

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