日本時間11月2日(月)早朝5時にスタートが予定されている2026年F1第19戦メキシコGPの決勝レース。ここでは、降格ペナルティ反映後のスターティンググリッド、予選結果からの変更点、そして予想されるタイヤ戦略と天候状況についてまとめる。
スターティンググリッド:3台に降格ペナルティ
パワーユニット(PU)交換ならびに接触に伴うグリッド降格ペナルティが3台に科されたことにより、計2台のスタート位置が予選順位から変動した。
予選4番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)との接触により1グリッド降格の5番グリッドに着く。ローソンにも同じく1グリッド降格が科されたが、技術規則違反により予選資格を剥奪されたため、最後尾またはピットレーンからスタートする見通しだ。
バルテリ・ボッタス(キャデラック)は、PU交換に伴う累積50グリッド降格ペナルティを受け、最後尾スタートを命じられたものの、ローソンの失格により21番グリッドに着く予定だ。
フロントロウに並ぶのは、かつてのメルセデスコンビだ。2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)の隣に並ぶのは、3年ぶりのポールポジションから勝利を目指すルイス・ハミルトン(フェラーリ)。ただし、ここは最初のブレーキングゾーンまでの距離が非常に長く、ポールは必ずしも有利とは言えない。実際、過去10大会でポールから優勝した例はわずか4回しかない。
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
公式予選後のパルクフェルメで握手を交わすポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(フェラーリ)と2番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年10月31日(土) F1メキシコGP(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
一方、ライバルの結果にかかわらず9位フィニッシュ以上でF1史上最年少チャンピオンに輝くアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、フェルスタッペンの降格に伴い2列目4番グリッドからレースに臨む。
仮に10位でフィニッシュした場合でも、ラッセルが優勝しなければタイトル獲得が決まる。また、ノーポイントに終わったとしても、ラッセルとハミルトンの両方が優勝を逃せばアントネッリがチャンピオンに輝くことになる。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が生じた場合は更新される。各ドライバーの予選結果からの変動も併せて記載する。
Pos
No
Driver
Team
Qualifying
1
44
L.ハミルトン
フェラーリ
1(-)
2
63
G.ラッセル
メルセデス
2(-)
3
16
C.ルクレール
フェラーリ
3(-)
4
12
A.K.アントネッリ
メルセデス
5(+1)
5
3
M.フェルスタッペン
レッドブル
4(-1)
6
1
L.ノリス
マクラーレン・メルセデス
6(-)
7
6
I.ハジャー
レッドブル
7(-)
8
41
A.リンブラッド
レーシングブルズ・RBPT
8(-)
9
10
P.ガスリー
アルピーヌ・メルセデス
9(-)
10
27
N.ヒュルケンベルグ
アウディ
10(-)
11
43
F.コラピント
アルピーヌ・メルセデス
11(-)
12
81
O.ピアストリ
マクラーレン・メルセデス
12(-)
13
5
G.ボルトレート
アウディ
13(-)
14
87
O.ベアマン
ハース・フェラーリ
14(-)
15
55
C.サインツ
ウィリアムズ・メルセデス
15(-)
16
23
A.アルボン
ウィリアムズ・メルセデス
16(-)
17
14
F.アロンソ
アストンマーティン・ホンダ
17(-)
18
50
平川亮
ハース・フェラーリ
18(-)
19
18
L.ストロール
アストンマーティン・ホンダ
19(-)
20
11
S.ペレス
キャデラック・フェラーリ
20(-)
21
77
V.ボッタス
キャデラック・フェラーリ
21(-)
22
30
L.ローソン
レーシングブルズ・RBPT
DQ
レースの模様はフジテレビNEXTおよびFODで完全生配信・生中継される。
タイヤ戦略:拮抗する1ストップと2ストップ
「タイヤ戦略の選択肢は非常に幅広い状況にある。理論上は、1ストップと2ストップのどちらも競争力のある選択肢だ」――ピレリのモータースポーツ・ディレクターを務めるダリオ・マッラフスキは、こう語る。
ピレリのシミュレーションが弾き出した最速の1ストップ戦略は「ミディアム→ソフト」で、推奨ピットウインドウは35~41周目とされる。
これまでのところ目立った摩耗やグレイニングは確認されておらず、週末を通したデグラデーションの水準は比較的低いものの、この戦略を採る場合、タイヤマネジメントは依然として重要な鍵となるだろう。
一方、理論上最も速い2ストップ戦略は「ソフト→ミディアム→ソフト」とされ、前述の1ストップ戦略とレース全体の所要時間に大きな差はないという。ただし、この戦略を成功させるには、コース上でのオーバーテイクが必要となる。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
パドックを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2026年10月31日(土) F1メキシコGPフリー走行3回目(FP3)開始前(エルマノス・ロドリゲス・サーキット)
ハードタイヤの出番はないのか?
マッラフスキは、「それほど競争力があるようには見えない」と指摘する。もっとも、レース序盤にセーフティーカー(SC)などによる中立化が発生すれば、それを機にハードに履き替え、そのままチェッカーフラッグを目指すマシンも出てくるかもしれない。
SC導入の可能性は、決して低いとは言えない。標高の高い場所でのレースは、F1マシンに大きな負荷をかけるだけでなく、クラッシュのリスクも平地以上に高い。
空気密度が低い分、ダウンフォースも減少する。今週末、多くのドライバーがグリップ不足でマシンをスライドさせているのは、このためだ。
さらに、信頼性にも影響を及ぼす。特に、ブレーキやPUの冷却システムに取り込める空気量が減り、レースの続行に関わるような深刻なトラブルに発展する可能性もある。実際、今週末は既に複数のマシンがトラブルに見舞われている。
オリバー・ベアマン(ハース)、ハミルトン、セルジオ・ペレス(キャデラック)は、それぞれ予防措置としてPUを交換した。アストンマーティン・ホンダも、マシンが停止するトラブルに2度見舞われている。
気象予報:晴天、降水確率10%
日曜のメキシコシティは日中、晴天が予想されているが、決勝終了予定時刻を迎える夕刻以降は雲が広がる見込みだ。もっとも、レース時間帯の降水確率は10%ほどと低く、現時点ではドライレースが期待される。
