
米国オンラインオークションに出品、落札された1972年式ヤマハ「JT2 ミニ エンデューロ60」
アメリカのオークションサイトにおいて、1972年式のヤマハ「JT2 ミニ エンデューロ60」が出品されました。当時の小型オフロードレジャーバイク市場を開拓したシリーズの1台であり、保存状態の良さからオークションでも大きな関心を集めました。
1970年代のオフロードブームを支えた小排気量モデル
2026年9月、アメリカのオンラインオークションサイト「Bring a Trailer」にて、1972年式のヤマハ「JT2 ミニ エンデューロ60」が登場しました。
JT2 ミニ エンデューロ 60は、1970年代初頭に登場した小型オフロードバイク「JT」シリーズに属するモデルです。
当時、アメリカを中心にレジャー用での小型バイク需要が高まっており、ヤマハは本格的なオフロードバイクの機構を縮小したミニエンデューロモデルを投入しました。
1970年に登場したJT1に続くマイナーチェンジ版として1972年にラインアップされたのが本モデルであり、コンパクトな車体ながら本格的なトレール走破性を誇る設計となっています。
当時の他メーカーのレジャーバイクと比較しても、ダート走行を前提とした骨格や足まわりの構成は本格的であり、単なる玩具にとどまらない走行性能を備えていました。
デザイン面では、ハイマウントされた前後フェンダーやアップタイプのマフラーなど、フルサイズのエンデューロマシンをそのまま凝縮したようなシルエットが採用されています。
パイプバックボーンタイプのフレームに、小ぶりな4.3リッター容量のフューエルタンクが組み合わされ、全体の引き締まったフォルムを形成しています。
また、車体サイズは全長1585mm×全幅700mm×全高930mmとコンパクトで、車両重量も65kgに抑えられています。
技術的な側面では、空冷2ストローク単気筒58ccエンジンを搭載しています。
このパワーユニットは最高出力4.5psを発揮し、内径42mm×行程42mmのスクエアボア構造が採用されました。
トランスミッションは4速マニュアルを採用しており、フットシフト操作によって小排気量ながら軽快な加減速を行える構造となっています。
また、エンジン潤滑方式にはヤマハ独自の分離給油システムである「オートルーブ」が採用されており、混合ガソリンを作ることなく単体での給油を可能にしています。
足まわりには、フロントにテレスコピックフォーク、リアにはスイングアーム式サスペンションを備え、前後ともにドラムブレーキが組み合わされています。
当時の純正色をまとう走行距離282マイルの希少な個体
今回オークションに出品された個体は、1972年式のモデルです。
2025年に販売業者がセカンドオーナーから入手した車両であり、製造から半世紀以上が経過した現在も当時のコンディションが維持されています。
米国オンラインオークションに出品、落札された1972年式ヤマハ「JT2 ミニ エンデューロ60」
外観デザインは「マンダリンオレンジ」と呼ばれる鮮やかな基調色にイエローのアクセントラインが配置され、黒塗りのフレームとの組み合わせが特徴的です。
また、フューエルタンクや外装パーツの塗装面には美しい光沢が残されており、非常に大切に保管されていたことがうかがえます。
足まわりには、15インチのワイヤースポークホイールが装着されており、2.50-15サイズのニットー製タイヤが組み合わされています。
サスペンションのクロームメッキ部や、ドラムブレーキのハウジングまわりもきれいな状態が保たれています。
くわえて、ハンドル周りには、補強用ブレースの入ったクローム仕上げのハンドルバーが装着されています。
左側にはクラッチレバー、右側にはフロントブレーキレバーとキルスイッチ、スロットルグリップが配置されています。
速度計は時速60マイル表示のメーターが備わり、キー式のイグニッションはハンドル左下側に配置された構造です。
そして、搭載される58ccの2ストローク単気筒エンジンは、キャブレターカバーや黒塗りの高回転型アップマフラーなどを備えています。
出品に先立ち、2026年にはキャブレターの清掃作業が実施され、始動性能や動作の安定化が図られました。
走行距離はメーター表示でわずか282マイル(約453km)となっており、年式を考慮すると非常に少ない走行にとどまっています。
エンジンまわりや駆動系チェーン、ガード類の仕上げも良好であり、コレクションとしての価値も考慮された維持状態となっています。
なお、今回のオークションでは23件の入札を集め、最終的に7500ドル(約110万円)で落札されました。
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今回落札された1972年式ヤマハ「JT2 ミニ エンデューロ 60」は、1970年代のレジャーバイクの姿を現代に伝える一台です。
小排気量でありながら本格的なオフロード装備をまとったモデルは、当時の若年層やオフロード愛好家の間で独自の市場を形成しました。
製造から50年以上が経過した現在でも、実働状態を保った個体がオークションで取引されている事実は、当時の小型二輪車の歴史的価値を示しているといえそうです。
