
FC東京でプレーするダニ・ゴメス【写真:Getty Images】
FC東京に新加入したスペイン人FWダニ・ゴメスが、10月7日の天皇杯3回戦・湘南ベルマーレ戦で初先発初ゴールを記録した。レアル・マドリードの下部組織で育ち、世代別スペイン代表でも得点を重ねてきた28歳は、好調の前線にどう組み込まれるのか。スペインでの歩みから、その起用法を探る。
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持ち味の裏抜けを早速発揮
1998年生まれのゴメスは、レアル・マドリードのセカンドチーム(カスティージャ)で52試合16得点を記録。U-19スペイン代表では3試合3得点、U-21代表でも7試合4得点を挙げた。
その後はレバンテなどでプレーし、ラ・リーガでは通算84試合8得点5アシストを残している。
直近の2025/26シーズンは、スペイン2部のレアル・サラゴサで9得点を挙げ、チーム内得点王に輝いた。一時は構想外と報じられ、チームも3部降格の憂き目に遭ったが、シーズン開幕直後に地元メディア『Aragón Noticias』は相手守備陣に「絶え間ない存在感と圧力」を与えるFWと評価している。
同じく序盤戦では『El Gol Digital』が「絶好調の点取り屋」と称え、190cmのケナン・コドロの周囲で仕事をこなすセカンドストライカーとして輝いた。
データサイト『FotMob』のスタッツからも特徴が浮かぶ。シュート46本のうち38本がペナルティエリア内からで、枠内シュートの質を示すxGOTは9.69と、ゴール期待値(xG)の8.88を上回った。敵陣でのボール奪取も14回を数え、前線からの守備にも貢献していた。
9月18日に完全移籍での加入が発表されたゴメスは、9月29日のルヴァンカップ・愛媛FC戦の88分にマルセロ・ヒアンと代わってデビュー。続く湘南戦で初めて先発のピッチに立った。
【4-4-2】の2トップで仲川輝人と組んだ背番号99は、14分に縦パスで山田楓喜の先制点の起点となる。34分には山田のスルーパスに反応して最終ラインの背後へ抜け出し、GKとの1対1を冷静に沈めた。64分までプレーし、チームの4-0快勝に貢献。サラゴサで光った裏への抜け出しを、新天地でも早速示した格好だ。
現時点での最適ポジションは?
ただ、ポジション争いは簡単ではない。松橋力蔵監督は今季のリーグ戦8試合すべてで【4-4-2】を採用し、うち6試合でマルセロ・ヒアンと長倉幹樹が2トップを組んだ。
長倉は天皇杯を含む公式戦10試合で6得点3アシストと結果を残している。ヒアンは『Sofascore』によるとキーパス16本、決定機創出5回がいずれもチーム最多で、187cmの長身ながらチャンスメーカーの色合いが濃い。決定機で外すシーンも散見されるが、その分自身でもゴールまでの道筋を作っている。
チームもリーグ戦は第2節から7戦無敗と好調だ。公式戦に広げると10戦無敗である。
サラゴサ時代のように長身FWの周囲を動く役割なら、ヒアンとの2トップは理にかなう。ただし、それは好調なチームの誰かを外す選択肢につながる。
178cmのゴメスが3人目のアタッカーとして生きる道は、サイドハーフ起用かもしれない。松橋監督は本来FWの佐藤恵允を右サイドハーフで起用してきた。スペイン時代にウイングでのプレー経験もあり、前線からの守備と裏抜けを備えるゴメスにも同様の役割は考えられる。
また、就任1年目の2025年に用いた【3-4-2-1】なら、ヒアンを頂点に長倉とゴメスがシャドーに並ぶ形も描ける。可変的な運用で【4-2-3-1】と見られる場面もあるが、その際は2列目の全ポジションで起用できるかもしれない。
松橋監督は湘南戦後、ゴメスのコンディションはまだ万全ではないと説明した(出典:FC東京公式サイト)。現時点では連戦を乗り切るための貴重なオプションという立ち位置である可能性が高い。しかし、状態を上げながら結果を積み重ねれば、指揮官に布陣の再考を迫る存在になるはずだ。
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