大黒柱の石川祐希、進化著しい高橋藍。そこに続くのが、オールマイティな富田将馬と、イタリアで経験を積む大塚達宣。そして、身長2メートルという圧倒的な高さを誇る甲斐優斗。

 バレーボール男子日本代表が誇るアウトサイドヒッター陣を見ると、選手層の厚さを感じずにはいられない。

 ロラン・ティリ監督が「(アジア選手権に出場した)このメンバーがベースになる」と明言する通り、アウトサイドヒッターの軸となるのは石川、高橋、富田、大塚の4人。そこに、アジア選手権の選考から漏れた甲斐を加えた5人を中心に、ロサンゼルス五輪までの2年間のポジション争いは進んでいくはずだ。

ADVERTISEMENT

 そこに割って入っていくのは至難の業だろう――。確信めいた思いを抱く一方、新戦力台頭に期待を抱いたのがアジア競技大会・準々決勝カタール戦だった。

序列を崩すためのアピール

 日本代表はアジア選手権から続く連戦を考慮し、アジア競技大会は“B代表”を中心に臨んだ。アウトサイドヒッターのポジションに入ったのは、これまでA代表に定着しながらも、石川・高橋を前に限られた出場機会しかなかった大塚と甲斐だった。

 しかし、カタール戦は大塚が疲労と目の不調を訴えたことで途中交代。代わりにコートに立ったのが25歳の後藤陸翔だった。2枚、3枚と揃った相手ブロックの虚を突く巧みな攻撃で9得点をマーク。身長187センチとサイズは大きくないものの、強打だけでなく軟打も織り交ぜた技巧派アタッカーが一発勝負の決勝トーナメントでも、確かな存在価値を証明した。

 今大会では主将に任命された28歳の新井雄大も続いた。2-0とリードした第3セットに甲斐に代わってコートイン。後衛からのパイプ、さらには前衛でのスパイクで得点を重ねた。後藤と同じく、188センチと高さがあるわけではないが、跳躍力とパンチ力を活かしたズドーンと叩きつけるスパイクは、限られた出場機会でも一定のインパクトを残した。

 2人にとってアジア競技大会は、ようやく巡ってきた大舞台。指揮を執ったティリ監督の前で、序列を崩すためのアピールには絶好の機会だった。

 しかし、終わってみれば、今まで以上に“高い壁”を痛感する時間でもあった。

【次ページ】 B代表では主力を担ってきた後藤

Share.