TOP14第4節(9月26日、27日)、ペルピニャンはホームでボルドーを38-25で破り今季2勝目を挙げた。テンポの早い展開の中、5トライを挙げたペルピニャンに対し、前節のスタッド・フランセ戦で大腿四頭筋を痛めたSOマチュー・ジャリベールを欠き、WTBルイ・ビエル=ビアレやCTBヨラム・モエファナを温存したボルドーは3トライにとどまった。
第2節のアウェイ・トゥールーズ戦で大敗(12-48)に続きアウェイ2敗目。一方、ペルピニャンは前節のモンペリエでの大敗(13-50)から持ち直し、決定力を発揮して本拠地スタッド・エメ=ジラルで今季2勝目を挙げた。
1勝2敗のスタッド・フランセは、開幕から3連勝のリヨンに31-10で勝利した。前半はリヨンに押され打開策を見出せず重い展開となったが、34分にSHタウェラ・カーバーローがモールから抜け出して素早く先制トライを奪うと、後半に入り流れを引き寄せた。
ペルピニャンの決定力の高さを示すInstagram。「敵陣22m内侵入時の得点効率 70%」「ターンオーバー 22回」
スタッドフランセ、カーバーローの闘魂トライ。チームの公式Instagramより
カストルは敵地でクレルモンに6-20で敗れた。ホームではヴァンヌ(29-20)とトゥーロン(29-27)を相手に僅差の勝利を収めていたものの、前節のペルピニャン戦(29-43)に続き、決定力不足が響いてアウェイ2連敗となった。
トゥーロンはヴァンヌを28-10で下し、今季初勝利を挙げた。しかし、開幕から3連敗を喫していたトゥーロンは昇格チームのヴァンヌ相手に苦戦。後半にCTBガエル・フィクー、FLシャルル・オリヴォン、SHバティスト・セランらを投入してなんとか勝利したものの、パスミスや判断ミス、攻撃の噛み合わない場面が目立ち、課題の残る内容となった。
苦境が続くラシン92は、ホームでバイヨンヌに17-20で敗れた。ボルドーに5-64、リヨンに31-48で敗れた後、前節はラ・ロシェルで20-10で今季初勝利をあげ、ようやくスタートを切ったように思えた。しかしバイヨンヌ戦、勝利を目前にして76分に痛恨の逆転トライを許した。
敗戦の背景には、プレニチュード・アリーナ(旧パリ・ラ・デファンス・アリーナ)がセリーヌ・ディオンのコンサートで使用できず、パリ郊外のクレテイユへ移転を余儀なくされている「ホームレス状態」の環境もある。今年1月にラシン92のオーナー兼会長であるジャッキー・ロレンゼッティ氏がアリーナの売却を発表した。12月の2試合を最後にアリーナに別れを告げ、来年5月に旧本拠地(スタッド・イヴ・デュ・マノワール)の改修が完了するまで、クレテイユや、ル・マンなど地方都市も転々とする過酷な日程が続く。
観客数も約3500人にとどまるなどホームの利を活かせない状況に、パトリス・コラゾHCは「一刻も早く適応しなければならない。この挑戦が困難であることは承知の上。それが言い訳になることはない。全員が意識を揃える必要がある。ラ・ロシェルに行って1万8000人の観客の前で戦うときには、それ相応の覚悟をして臨む。ここではそれとは違った形で集中力を高めなければならない。自分自身に対して超厳格でなければならない」と危機感を募らせている。
開幕4試合で6トライと活躍の、ポーのWTBホドリゴ・マルタ。写真は2023年W杯、ポルトガル代表としてプレーしている時のもの。(撮影/松本かおり)
前節敵地でリヨンに25-51で敗れたポーは、ホームでラ-ロシェルに39-17で快勝した。プレシーズンにFW合宿を行ってセットピースを強化したほか、ProD2のコロミエから新加入したポルトガル代表WTBホドリゴ・マルタが開幕4試合で6トライを挙げる活躍を見せるなど、BKの得点力も増している。
トゥールーズは開幕節で敵地のラ・ロシェル戦で敗れ(27-30)、ホームでのボルドー戦では圧勝、続くアウェーのヴァンヌ戦では勝利はしたが60分までは安心できる内容ではなかった(29-23)。今節はホームでのモンペリエをと対戦した。
負傷者リストに20名を数え、その中には前節のヴァンヌ戦で左膝を負傷し外側側副靱帯の断裂と診断されたLOエマニュエル・メアフーも含まれる。メアフーの復帰は数か月後と見込まれており、11月の代表戦は欠場することになる。他にもモヴァカ、クロス、ウィリス、ジュロン、メノンチェッロ、バラシ、マリア、キングホーンと負傷者グループだけでも先発XVが組めるほどの豪華な顔ぶれがスタンドに並んでいた。
それでもトゥールーズは圧倒的な攻撃力を見せつけ、昨シーズンのTOP14決勝のリメイクとなった一戦を40-18で制し、4年連続王者の貫禄を示した。
昨季終盤から調子を上げているSOロマン・ンタマックがこの試合でも見事にゲームをコントロールし、絶妙なキックパスでトライを演出、自らもトライを決め完全復活したパフォーマンスを見せたが、その弟のテオもNO8で出場し、ピッチの至る所に現れ積極的にプレーに絡み、ボールを持てば常に前進。見事なリターンパスでデュポンのトライもアシストした。
2022年にTOP14デビューして以来、期待されながらも怪我に悩まされてきた。今季、負傷することなくこのパフォーマンスを続けられれば、フランス代表NO8候補に名乗りを上げることもあるのではと思わせる試合だった。
ンタマック兄弟(左)とテオ・ンタマックのトライシーン。トゥールーズの公式Instagramより
この勝利でボーナスポイントも獲得したトゥールーズがリヨンを1ポイント上回って首位になった。ポーが3位に浮上し、以下、バイヨンヌ、ボルドー、クレルモンが続く。まだ勝ち星をあげられていないヴァンヌが最下位、ラシン92が13位、トゥーロンが12位と低迷している。
この週が明けた月曜日(9月28日)、前シーズンの活躍を表彰する「ラ・ニュイ・デュ・リュグビー(La Nuit du Rugby)」が今年もパリ最古のミュージックホールのオランピア劇場で開催された。
最優秀新人賞には、ノミネートされたCTBカルヴィン・グルグ(トゥールーズ)やCTBオーギュスト・カド(モンペリエ)を抑え、選手投票でポーのCTBファビアン・ブロー=ボワリー(20歳)が選出された。
ポーは、この賞の常連で、2023年のCTBエミリエン・ガイユトン、2024年のWTB/FBテオ・アティソベに続き、ブロー=ボワリーが、前年の受賞者であるトゥーロンのWTBガエル・ドレアンから栄冠を引き継いだ。
ブロー=ボワリーは2024-2025シーズンにもすでに活躍を見せていたが、フランスラグビー界の期待の若手の筆頭格として頭角を現したのはまさに昨シーズンだった。
ポーで23試合に出場(うち20試合で先発)、9トライを記録。チームの躍進に貢献し、クラブはTOP14で初のプレーオフ進出を果たした。
新人賞のポー、CTBファビアン・ブロー=ボワリーと歴代の受賞者。TOP14の公式Instagramより
今年のシックスネーションズでの代表デビューを皮切りに、7月に開催されたネーションズ・チャンピオンシップでフランス代表として全3試合先発出場。ワールドカップを1年後に控え、モエファナ、ドゥポルテール、ガイユトン、グルグ、バラシ、フィクーといった激戦のポジションでありながら、フランス代表の確かな選択肢としての地位を確立している。なお、式典に先立ち、ポーは彼との契約を2030年まで更新したことを発表した。
受賞にあたりブロー=ボワリーは次のように語った。
「自分に対する期待はよく分かっています。最優秀新人賞に選ばれると、周囲からよりいっそう注目されるようになります。みんな『一度新人賞を獲ったのはすごいけれど、このまま活躍を続けられるのかな?』と思うでしょうからね。ですが、僕にはそのための素晴らしいサポート体制があります。コーチ陣も僕に対してすごく明確なアドバイスをくれます。
それに、こういったプレッシャーが多少あるのも良いことです。自分をあえて厳しい状況に置き、『ここからさらに先へ進み、より上へ行くためには自分自身に対して一層厳しくならなければならない』と言い聞かせるキッカケになります。これからは一発屋ではなく本物であることを証明しなければなりません。
エミリアン(ガイユトン)やテオ(アティソベ)のあとに続けることをとても嬉しく思っています。彼らも、同じクラブ出身の選手がこうして賞を獲得することを喜んでくれているでしょうし、これこそがこのクラブの目指すところなのです。僕がポーに来ることを選んだのもそれが理由でした。クラブの方針に心を動かされましたし、セバスチャン・ピケロニHCが若手の育成をとても大切にしていることも知っていました。もちろんポジションを勝ち取るためには努力が必要ですが、彼と一緒にやる方がよりチャンスを掴みやすかったのかなと思います」
最優秀フランス代表選手賞はボルドーのWTBルイ・ビエル=ビアレ。TOP14の公式Instagramより
最優秀フランス代表選手賞には、ボルドーのWTBルイ・ビエル=ビアレが選手投票により2年連続で選出された。チームメイトのSOマチュー・ジャリベール、トゥールーズのFBトマ・ラモスを抑えての受賞となる。同賞の複数回受賞は、ヤニック・ジョジオン(2004年、2005年)、リオネル・ナレ(2007年、2008年)、アントワンヌ・デュポン(2021年、2022年、2023年、2024年)に続く史上4人目。
ビエル=ビアレは2025-2026シーズン、フランス代表として8試合で11トライを記録。特にシックスネーションズでは大会新記録となる9トライを挙げて優勝に貢献し、2年連続で大会MVPを獲得した。クラブでもボルドーのチャンピオンズカップ2連覇に貢献し同大会のMVPに選ばれるなど、昨季はクラブ・代表通算で31試合34トライの成績を残している。
ビエル=ビアレは周囲への感謝と今後の抱負を言葉にした。
「とても幸せですが、WTBというポジションはボールが届くまでのチーム全員の仕事があってこそ。この賞はみんなの努力の成果です。最高の瞬間はやはりチームでトロフィーを手にしたとき。代表でタイトルを掴み取るのが一番の目標です。ただ、W杯ばかり意識するとクラブでのパフォーマンスが落ちてしまい、代表活動の時期にベストな状態で臨めなくなってしまいます。まずはボルドーでのプレーに集中するようにしています。それに、僕たちは今シーズンも大きな野心を抱いているので、やるべきことは山ほどありますからね」
TOP14の最優秀選手賞には、トゥールーズのFLジャック・ウィリスが2年連続で選ばれた。同賞の複数回受賞はアントワンヌ・デュポン(2021年、2023年、2024年)に続く史上2人目。マチュー・ジャリベール、クレルモンのSOハリー・プラマーを抑えての選出となった。
ウィリスは昨季28試合に出場(24試合先発)し7トライを記録。6月に行われたモンペリエとの決勝戦でも活躍し、チームの4連覇に大きく貢献した。
最優秀選手賞はトゥールーズのFLジャック・ウィリス(左)。右は歴代最優秀選手賞歴代受賞者。TOP14の公式Instagramより
「他の選手から選ばれるというのは、いつだって特別な意味を持ちます」と切り出し、2022年11月にトゥールーズに加入した当初を振り返った。
「当初は、スタッド・トゥールーザンが自分にチャンスを与えてくれたことに対して、ただただ感謝しているだけでした。ワスプスが破産申請をして職を失った後、ものすごいスピードで進みました。3週間後にはフランスに住み、トゥールーズでプレーしていたのですから。今夜こうして再びこの賞を受け取ることができたことを心から誇りに思います。これもすべて自分の周りにいてくれる家族、チーム、そしてスタッフのおかげです」
ただ、フランスでプレーすることで、イングランド代表でプレーできなくなり、彼の代表キャップ数は14で止まっている。
「そのことは常に頭の中にあります。寂しいですし、恋しく思うこともあります。ですが、自分で決断を下した以上、その結果は受け入れなければなりません。最初は自分の意思で選べた状況ではありませんでしたが、トゥールーズに残ることを選んだのは自分自身です。イングランド代表でプレーしたいという気持ちは今もありますが、ルールはルールですからね」
「最も美しいトライ」賞には、21節のポーが自陣ゴール前からパスを繋いでガイユトンが仕留めたトライが選ばれた。
最も美しいトライ賞は昨季21節のポーが自陣ゴール前からパスを繋ぎ、ガイユトンが仕留めたトライ。TOP14の公式Instagramより
最優秀スタッフ賞には、2年前の入れ替え戦からチームを立て直し、昨季決勝進出を果たしたモンペリエの指導陣が選出された。
最優秀レフリー賞には、国際試合でも実績を積んでいるリュック・ラモスが選ばれた。
女子カテゴリーでは、最優秀フランス代表選手賞に23キャップを持つFLレア・シャンポン(グルノーブル)、女子1部リーグ(エリート1)最優秀選手賞には代表7キャップを持つHOマチルド・ラザルコ(クレルモン・ロマニャ)が選ばれた。なお、エリート1最優秀選手のノミネート紹介時に、フランス代表SOカルラ・アルベスに誤って別の選手の映像が投影される手違いがあり、華やかな祭典の場を濁すこととなった。
