A-side SMASH BURGER
新垣 萌 氏
沖縄県のコザ地区にある「A-side SMASH BURGER」は、嘉手納基地のすぐそばという立地を生かし、米軍関係者に愛されているハンバーガー専門店です。その特徴は、パティを鉄板の上で押しつぶして焼き上げるスタイル。今回お話を伺ったのは、もともとお店のファンで「ここで働きたい」という熱意でスタッフになった新垣氏です。そんな新垣氏にお客さまのニーズや Uber Eats 導入の背景、愛されるお店作りの秘訣などを語っていただきました。
アメリカ人へのリサーチから生まれた、沖縄・コザのスマッシュバーガー
-お店の特徴について教えてください。
アメリカやヨーロッパで流行っているものの、日本ではまだあまり浸透していないスマッシュバーガーを提供しているところです。A-side SMASH BURGER は、嘉手納基地が近くにあるのですが、ハンバーガー店の多い沖縄で差別化をするために、お店のオーナーがアメリカ人の方にリサーチして作り上げたお店です。お客さまの多くは米軍関係の方で、加えて地元の方にもご利用いただいています。
-スマッシュバーガーの魅力はどこにあるのでしょうか?
パティを鉄板に押しつけて薄く伸ばして焼くことで、表面をカリカリにしています。日本人が好きなハンバーグのようなフワッとジューシーな感じとは違って、香ばしさと肉々しさが味わえます。スマッシュバーガーは、アメリカの世界恐慌時代にお肉を節約する工夫から生まれたそうなんですが、その製法が今、世界的なトレンドになっています。私はハンバーガーが好きで、以前は別のお店で働いていたんですが、このお店のスマッシュバーガーに魅了されて、スタッフとして働くようになりました。
-おいしさへのこだわりは他にもありますか?
バンズですね。オーナーがいろんなハンバーガーを食べてみて、「バンズがおいしければ、ハンバーガーはおいしくなる」と気づいたそうです。北海道産の良質な小麦粉を使っていて、さらにマッシュポテトを生地に練り込んだポテトバンズに仕上げています。このバンズがスマッシュバーガーにとてもよく合うんです。
-人気メニューについても教えてください。
カスタムバーガーが特に人気です。パティの枚数からチーズなどのトッピングまで、1 つひとつ選べるメニューなんですが、アメリカの方は好き嫌いがはっきりしているんです。だから、自分好みのバーガーを 1 から作れるというのがすごく好まれていて。お店で組み合わせを考えたバーガーもご用意しているんですが、日本人のお客さまはそちらを選ぶことが多いですね。最近は観光で沖縄を訪れて「アメリカを感じたい」という日本人の方も来てくださるようになっています。
「暇な時間をなくしたい」というくらいの気持ちで始めた Uber Eats
-Uber Eats を導入したきっかけを教えてください。
もともとUber Eats を導入する予定はなかったんです。でも、オープンからしばらくするとお店が落ち着いてきて、暇な時間ができるようになったので、「利用できるんだったら入れてみようか」くらいの気持ちでスタートしました。テイクアウトのお客さまがオープン前の想定より多かったこともあって、デリバリーとの相性は良さそうという感覚はありました。
-導入前に不安はありましたか?
オペレーション面に関しては、基本的にテイクアウトと同じ流れで対応できるので不安はなかったです。また、売り上げに対しての手数料を支払う仕組みなので、もし注文が入らなくてもマイナスにはなりませんし、入ればその分だけプラスになります。失敗ということは特にないと思っていたので、全然心配はしていなかったです。
-実際に始めてみてどうでしたか?
導入してみたら、想像以上の反響がありました。スマッシュバーガー自体がデリバリーに向いていたのかもしれませんが、一気に注文が増えて。今では全体売り上げの約 3 分の 1 を Uber Eats が占めていて、なくてはならないものになりました。飲食店だとアイドルタイムが生まれやすいと思うんですけど、Uber Eats だと合間にもちょくちょく注文が入るので、暇だなと感じる時間はかなり減りました。

-商品の売れ方に関して、店頭との違いはありますか?
先ほどお伝えしたとおり、カスタマイズする方が多いのですが、Uber Eats で注文されるお客さまはさらにその傾向が強いです。「家のケチャップを使うから入れなくていい」とか「レタスが家にあるから不要」とか、より細かくカスタマイズする方が多いです。パティとバンズだけを注文する方や、バンズなしを希望する方もいるくらいで、そういったリクエストにも対応しています。お店としてはバンズにこだわっているので食べていただきたい気持ちはあるんですが、Uber Eats のお客さまはお家で食べる自分だけのバーガーを楽しんでくれているんだなと感じています。
デリバリーでもお客さまとのコミュニケーションがファンをつくる
-デリバリーをするうえで、何か工夫はされていますか?
やはり梱包には気を遣っています。配達パートナーの方に運んでいただく間に、商品が潰れてしまわないよう丁寧に包んでいたり、こぼれないようにラップに包んでから袋に入れたり。あとは、商品を入れる箱にイラストやメッセージを手書きして、少しでもお店の雰囲気を味わってもらえたらと思っています。私はキャラクターデザインもしているんですが、A-side SMASH BURGER にもっと親しみを感じてもらえたらうれしいですね。
-リピーター獲得やファン作りにもつながりそうですが、何かお客さまとのエピソードはありますか?
何度もご注文してくださる方は、メッセージでお好みのカスタマイズを丁寧に教えてくれたり、新たなトッピングのリクエストをくれたり。こちらからも手紙を入れてお届けするので、文通みたいなやりとりが生まれています。たくさんいるリピーターの方の中でも、3 か月で 60 回も注文してくださったお客さまがいるんですが、アメリカに帰国する前に「どんな人が働いているのか見てみたくて」とわざわざお店に来てくださって、すごくうれしかったです。
Uber Eats が広げていく、新しいお客さまとの出会い
-改めて Uber Eats で成功している秘訣を教えてください。
アメリカ人のお客さまが多いというエリアの特徴を踏まえたスタイルにしていることです。日本人に比べて、同じ味の物を食べ続ける傾向が強いので、変わらない味を提供することが大事。サービスでトッピングを追加すると、「なんでこんなことするんだ」と嫌がられることもあるくらいです(笑)あとは、デリバリーでさらに多くの方に届けられる分、好き嫌いも違ってくるため、こちらのこだわりというよりも、それぞれの好みに合わせられることが重要だと思います。
-今後の展望を教えてください。
Uber Eats を始めたことで、新店の計画が具体的に進みました。このコザのお店からは届けられないエリアに、アメリカ人の方が多く住む地域があるんですが、その近くにテイクアウトとデリバリーを中心にしたお店を出します。
-では、貴店にとって Uber Eats はどういう存在ですか?
Uber Eats は新しいお客さまの入り口です。お店だけでは食べてもらえなかった方にも、私たちのハンバーガーを食べてもらえるようになりました。最近はジュース 1 つでもデリバリーで注文される方もいて、そういう時代になってきているんだなと感じます。まだ導入していない飲食店の方は、たとえば唐揚げ 1 個でもデリバリーを始めたほうがいいと思います。

取材後記
A-side SMASH BURGER があるのは、いわゆるシャッター商店街とも呼ばれるような、静かな商店街の一角。そこに制服を着た米軍関係者の方々がランチをするために続々と訪れており、米軍基地の街という個性的な立地を強みに変えて営業されていることを実感しました。新垣氏のお話の端々からお店や商品への愛着と誇りがにじみ出ています。その熱量がデリバリーにおいてもきちんと伝わっているからこそ、ファンが増えているのだと思います。Uber Eats 導入が出店計画の原動力にまでなった A-side SMASH BURGER のさらなる広がりが楽しみです。

