ウクライナの前国防相ミハイロ・フェドロフ氏は、ドローン戦を推し進めた改革派として知られる。Danylo Antoniuk/Ukrinform/Sipa USA via Reuters Connect7月に更迭されたウクライナ前国防相のミハイロ・フェドロフ氏が、防衛テック企業を立ち上げる。データ解析企業パランティアのアレックス・カープCEOが、新会社の最初のリード投資家となる。フェドロフ氏は、ウクライナが戦時下で得たテクノロジーに関する教訓を、新たな能力へと転換させると語っている。
戦場におけるテクノロジー、とりわけドローンに関して急速なイノベーションを牽引してきたウクライナの前国防相ミハイロ・フェドロフ(Mykhailo Fedorov)氏が、防衛テック企業を新たに立ち上げる。同氏はこの夏、国防相を更迭されていた。

ウクライナの兵器メーカーが明かす、ドローン作戦成功の影にあったフェドロフ前国防相の「前代未聞の組織改革」 | Business Insider Japan
フェドロフ氏はプレスリリースで、新会社はウクライナの防衛力強化とパートナー国の支援を目的とする防衛技術の開発に注力すると明かし、「詳細は追って発表する」としている。
新会社が具体的に何を手がけるのかはまだ不明な点が多いが、最初のリード投資家となるのは、アメリカのAI・データ分析およびオペレーショナル・インテリジェンス(現場の意思決定を支えるデータ分析)を手掛けるパランティア(Palantir)のCEO、アレックス・カープ(Alex Karp)氏だ。
フェドロフ氏は声明で、同社にとってウクライナが最優先事項だとしている。
「全面戦争のさなか、我々のチームはウクライナで防衛技術に携わり、テクノロジーが現代戦をどう変えつつあるかを目の当たりにするという、またとない経験を得た」と同氏は指摘した。彼とそのチームはいま、その経験を新たな事業で生かそうとしている。
パランティアのワシントン・オフィスでフェドロフ氏とともに撮影された動画の中で、カープ氏はフェドロフ氏とそのチームについて、こう語りかけた。
「あなたとあなたの同僚は、戦争技術に関する知見と洞察力を携えて、世界に決定的な影響を与えるであろう会社を立ち上げようとしている」
We are building our own defense tech company. Alex Karp, CEO of @PalantirTech, will become its first lead investor.
Our ambitious new project will strengthen Ukraine and help build a safer future for the entire world. More details to come. pic.twitter.com/44UH99BFKH
— Mykhailo Fedorov (@FedorovMykhailo) September 1, 2026
フェドロフ氏は2026年1月に国防相に就任する直前まで、デジタル変革相を務めていた。この職務において、彼はウクライナを進化し続ける戦況に適応させるため、シリコンバレー流のスピード感で大規模な変革を進めたことで高く評価された。
彼が国防省を率いていた間、ウクライナ軍は戦場でテクノロジー主導の成果を挙げた。その代表的な例が、ロシアの兵站(へいたん)に壊滅的な打撃を与えた中距離ドローンによる攻撃作戦と、ロシアの軍事・産業拠点を標的とした長距離攻撃作戦の拡大だ。
だが、就任からわずか半年後の7月に突然更迭され、ウクライナの軍関係者や防衛産業関係者の間に衝撃が走った。フェドロフ氏が語ったところによれば、軍内部で抜本的な改革を推し進めようとした結果、軍上層部との間に激しい軋轢が生じたという。
更迭後、フェドロフ氏は当時の軍総司令官オレクサンドル・シルスキー氏を厳しく批判した。自分たちのチームが提案したあらゆる施策をシルスキー氏がことごとく阻み、亀裂を生じさせたと非難。「彼はロシアをいかに非対称的に打ち破るかを考える代わりに、国をどう分断するかを考え出した」とまで語っている。
一方のシルスキー氏は、フェドロフ氏退任後の公式声明のなかで、彼のこれまでの功績に謝意を示し、「ウクライナ・チームの一員として、引き続き成功を収めていくこと」を願っていると述べていた。
ウクライナ政府はフェドロフ氏の後任にエフゲニー・フマラ(Yevhenii Khmara)氏を起用した。さらにシルスキー氏の後任には、ミハイロ・ドラパティ(Mykhailo Drapatyi)少将を据えた。ドラパティ氏は、新司令官にふさわしい人物としてウクライナ軍兵士の間で大きな支持を集めていた人物だ。

ウクライナ、最前線の兵士が「平均月収の30倍」稼げる新たな「成果給」制度を導入 | Business Insider Japan
