
全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の県予選が5日に開幕した。男子40校、女子28校が冬の全国切符を懸けて争う。大会は2日間の日程を終え、ここから約1カ月半の中断期間へ。10月24日に男女3回戦から再開し、シード勢、スーパーシード勢が加わるにつれて戦いは一気に熱を帯びる。
79回目を迎えるウインターカップは、全国高校総体(インターハイ)と並ぶ高校バスケ最高峰の舞台だ。同時に、この大会には独特の重みがある。県高校総体を最後に3年生が引退し、新チームで挑む学校がある一方、「最後の冬」に懸けて3年生が残る学校もあるからだ。技術や戦術だけでは測れない。3年生がどれだけチームに思いを残し、下級生がその思いを背負えるか。冬には、そんな「3年生力」が勝敗を動かす。
ウインターカップ県予選が開幕した
男子の優勝争いは、3連覇を狙う柳ケ浦が中心となる。今季は県勢で初めて高校年代最高峰の「U18日清食品トップリーグ」に参戦。掲げるのは1試合100得点を狙う「超攻撃型バスケ」である。高さ、スピード、個人技を備え、留学生を軸にどこからでも得点できる。県高校総体でも総合力の高さを示した。全国レベルの強度を日常にしていることは、短期決戦で大きなアドバンテージとなる。
その王者を追う一番手が別府溝部学園だ。留学生の高さに加え、得点能力の高い選手がそろう。全国、九州の強豪とも渡り合える力があり、狙うは3大会ぶりの頂点。柳ケ浦との対戦が実現すれば、互いの攻撃力がぶつかる激しい展開になりそうだ。
大分上野丘も面白い。昨年のウインターカップ県予選から県高校新人大会、県高校総体まで3大会連続3位。高校総体後に多くの3年生が引退したが、残った最上級生が高さと経験でチームの骨格を支える。伝統校・大分舞鶴も復権を狙う。柳ケ浦一強の構図を誰が崩すのかが男子最大の焦点となる。
女子は4連覇を目指す明豊を中心に回る。県高校総体を制した最大の武器は強固な守備だ。絶対的なエースに依存せず、それぞれが役割を果たし、勝負どころで一気にギアを上げる。過去の全国舞台でも「役割」と「一体感」を武器に勝利をつかんできたチームである。
1、2回戦から熱戦が繰り広げられた
最大の対抗馬は大分。個々の技術と選手層では県内屈指で、先発と控えで2チームを組めるほど戦力は厚い。その豊富な個性を一つの方向へ束ねられるかが王座奪還への鍵となる。さらに夏の強化で力を伸ばした藤蔭も虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う。県高校新人大会、南九州四県対抗選手権県予選、県高校総体とベスト4を重ね、力は安定している。昨年はいずれもベスト8だった主要大会で着実に順位を上げてきた大分商業にも勢いがある。
男子は柳ケ浦を誰が止めるのか。女子は明豊の牙城を誰が崩すのか。ただ、冬のトーナメントは戦力表通りには終わらない。最後の大会に懸ける3年生、その背中を見てきた下級生。技術、戦術、そして3年間の思いが重なったとき、勢力図を覆す力が生まれる。
ウインターカップの切符は一枚。その一枚を巡る本当の勝負は、ここから始まる。 (柚野真也)
