韓国の李在明大統領(写真:ZUMA Press/アフロ)

 最近、米国上下院の軍事委員会が公開した「2027会計年度国防権限法(NDAA)に関する報告書」には、異例の条項が含まれていた。米国国防総省に対し、韓国における中国共産党の影響力と、それが在韓米軍および米国の安全保障上の利益に及ぼす影響を調査し、議会に報告するよう明記したのである。

同盟国・韓国についての調査指示は異例

 中国の影響力を調査すること自体は、新しい現象ではない。米国は長年、中国の政治的・経済的な浸透を警戒してきた。しかし、今回の措置が注目される理由は、調査の対象がロシアやイランのような敵対国ではなく、米国と相互防衛条約を結んでいる核心的な同盟国である韓国という点にある。

 米国議会は毎年、国防政策の方向性と予算使用の原則を定める国防権限法(NDAA)を審議する。これは単なる予算関連法ではなく、米国の安全保障戦略と軍事政策の優先順位を示す代表的な指標である。この過程で作成される上下院の軍事委員会報告書は、法的拘束力を持つ法律ではないものの、議会がどのような安全保障上の懸案を重要視しており、国防総省にどのような対応を求めているかを示す重要な資料だ。

 また、報告書には米国の同盟国や主要地域に対する認識と期待される役割も盛り込まれており、ワシントンの対外戦略を読み解く上で重要な手掛かりとなる。

 今回の2027会計年度国防権限法報告書において、日本はインド太平洋地域における役割の拡大と、同盟関係の協力強化という文脈で言及された。その一方で、韓国に関しては、在韓米軍2万8500人の維持や米韓の造船協力の拡大が明記されたものの、同時に中国共産党の影響力に対する調査や、戦時作戦統制権(戦作権)移管プロセスに対する検証手続きも盛り込まれた。

 これは、米国議会が同じ同盟国であっても、日本と韓国に向ける関心の分野に差を設けていることを示している。

Share.