2000年頃は好調に売れていた2ドアクーペ

2000年頃、2ドアクーペは人気だった。ボルボやプジョーも、鮮やかな色のC70や406 クーペを好調に売っていた。しかし、最近は様子が違う。10万ポンド(約2100万円)の高級車を除くと、英国で売られる正当なクーペは片手で数えられるほど。

アウディTTもポルシェ・ケイマンも、ショールームから姿を消した。残ったのは、ロータス・エミーラとホンダ・プレリュード。だが喜ばしいことに、ドイツのBMWとメルセデス・ベンツも、流麗なルーフラインのモデルを提供し続けている。

手前からメルセデス・ベンツCLE、BMW i4、アウディQ5 スポーツバック手前からメルセデス・ベンツCLE、BMW i4、アウディQ5 スポーツバック    マックス・エドレストン(Max Edleston)

ただし、今はクーペという表現を柔軟に捉える必要がある。メルセデス・ベンツCLEは、伝統的なフォルムの2ドアだけれど。エントリーグレードの英国価格は5万ポンド(約1050万円)を切り、ガソリンだけでなく、ディーゼルもある。

頂点には、メルセデスAMG CLE 53が据えられるが、今回指名したのは4気筒エンジンのプラグイン・ハイブリッド。313psのCLE 300eだ。サイズはEクラスへ近く、見た目の印象はCクラス寄り。ピラーレス・ハードトップの開放感は、堪能できない。

4ドアクーペのi4とQ5 スポーツバック

BMWは、2シリーズと4シリーズでクーペを展開している。素直に2ドアを指定しても良かったが、4ドアのグランクーペも擁するところが、2026年の多様性を表している。見た目が魅惑的なのは2ドアで間違いなくても、折角だから変化球が良い。

そこで用意したのは、バッテリーEVのi4。286psのシングルモーターで後輪駆動となる、エントリー仕様のeドライブ35は、5万ポンド(約1050万円)を僅かに超える。

手前からBMW i4、メルセデス・ベンツCLE、アウディQ5 スポーツバック手前からBMW i4、メルセデス・ベンツCLE、アウディQ5 スポーツバック    マックス・エドレストン(Max Edleston)

アウディは、コンセプトCやヌヴォラーリの量産準備を進めているはずだが、現在のラインナップでの主軸は、SUVのスポーツバック。背の高いプロポーションながら、新しいQ5は比較的小柄で、見た目はライバルより親しみやすい。

英国価格は、約5万5000ポンド(約1155万円)。ガソリンやプラグイン・ハイブリッドも選べるが、今回はSUVらしく2.0Lディーゼルにした。最高出力は203psだが、最大トルクは40.7kg-mと太い。3台では唯一、四輪駆動でもある。

官能的なスタイリングに上質なキャビン

CLE 300eの容姿には、往年の華やかさが香る。テールへ向けて収束するラインは、何とも官能的。左右が結ばれたテールライトは、好みが分かれるかもしれないが。

キャビンもボディの印象を反映し、ラグジュアリー。フレームレスのサイドウィンドウは、ドアハンドルを引くと僅かに下がる。有機的な造形のダッシュボードには、質感の良いウッドトリム。コクピットと呼びたくなる。

メルセデス・ベンツCLE 300e(英国仕様)メルセデス・ベンツCLE 300e(英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

内装素材は高品質で、空間にはゆとりがあり、身長が180cm以下なら後席でも快適だろう。ただし、車載機能の多くはタッチモニター上で操作する。ステアリングホイールのタッチセンサー類は感度がイマイチで、空間から得る印象を僅かに濁す。

後席の背もたれは40:20:40で倒せ、細長い荷物の運搬も可能。プラグイン・ハイブリッドのバッテリーで、荷室容量は純ガソリンのCLEより3割ほど狭いが、上品な佇まいと相まって、普段使いとの親和性が高いクーペだ。

長距離を冷静沈着にこなすグランドツアラー

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