中国の出入国管理がさらに厳しく(写真:Mehaniq/Shutterstock.com)
中国でまたもや、危険なルールが打ち出された。「中国出入国管理に関する国務院規定」(以下、「規定」)だ。一部で中国は1990年代の改革開放から習近平政権で逆走に転じ、いよいよ毛沢東の鎖国化時代に突入するのでは、という不安の声も出ている。
7月31日の新華社によれば、李強首相はこの新規定に署名、9月15日から施行される。この「規定」が施行されれば、中国人が海外で「安全保障に違反した」とみなされた場合、再出国が困難になる、らしい。
「規定」は全部で19条。注目される条文を以下に要約してみた。
■第4条
中国国民が、出入国書類を詐取したり、不法に出入国したりしたことにより行政拘留の処分を受けた場合、移民管理機関は、違法行為の状況および違法・犯罪行為の予防の必要性に基づき、処分の執行完了日から6カ月以上3年以内の期間、当該者の出国を許可しないことを決定することができる。
中国国民が海外で違法・犯罪行為に従事し、国家の安全及び利益を害する場合、国務院の関連主管部門、あるいは在外外交機関等による確認を経た上で、その国内住所地を管轄する省級人民政府が、帰国日から起算して6カ月以上3年以内の期間、当該者の出国を禁止することを決定することができる。
中国国民が輸出管理、技術の輸出入管理等の規定に違反し、国家の産業安全や技術安全を害するおそれがある場合、国務院の商務等の関連主管部門は、当該者の出国を禁止することを決定することができる。
■第5条
外国人が国外で中国のビザを申請する場合、または入国審査場で入国を申請する際に、虚偽の資料を提出したり、虚偽の陳述を行ったりしたときは、移民管理機関およびビザ発給機関は、1年から5年以内の期間、その者の入国を許可しないことを決定する。
外国人が国境管理を妨害したことにより刑事処罰を受けた場合、または出入国証書の詐取、不法な出入国により行政処罰を受けた場合、移民管理機関は、違法行為の状況および違法・犯罪の予防の必要性に基づき、処罰の執行完了の日から1年以上5年以下の期間、当該外国人の入国を許可しないことを決定することができる。法律に別段の定めがある場合は、その定めによる。
外国人が対抗措置リスト、信頼できない団体リスト、悪意のある団体リストに掲載された場合、または対抗措置や制限措置が講じられた場合など、法に基づき出入国証書の発給拒否や入国不許可などの関連措置を講じる必要があるときは、移民管理機関およびビザ発給機関がその職責に基づき実施する。
■第7条
国は、出入国者からの委託を受け、出入国政策に関する相談、書類の代行、手続きの代行などの仲介サービスを行う機関および個人に対し、届出管理を実施する。…
■第10条
出入国仲介サービスに従事する機関は、以下の行為を行ってはならない。
▽虚偽の情報の公表、誇大広告や誤解を招く宣伝などの手段を用いて利用者を勧誘すること
▽虚偽の資料を提供またはその提供を幇助し、他人がビザ、滞在・居住許可証、パスポートなどの出入国関連書類または手続きを規定に違反して取得することを幇助すること
▽仲介サービスの活動において知り得た営業秘密、個人のプライバシー又は個人情報を漏洩、販売、もしくは違法に提供すること
▽届出の範囲を超えて出入国仲介サービスを行うこと
▽国境を越えた違法・犯罪活動を組織し、又は他人がこれを行うのを助長すること
▽国家の安全、利益を害し、又は出入国管理の秩序を乱すその他の行為。公務員や軍人などが、出入国仲介サービスを行う機関に、外国国籍、海外での永住資格、海外での在留証明書、その他の出入国関連書類や手続きの取得を依頼し、それが規定に違反する場合、当該機関はこれを取り扱ってはならず、速やかに監察機関などに報告しなければならない。
■第11条
虚偽の資料の提出や虚偽の陳述などの手段を用いて、ビザ、滞在・居住許可証、パスポートなどの出入国書類を不正に取得した者は、移民管理機関により『中華人民共和国出入国管理法』および『中華人民共和国パスポート法』の規定に基づき処罰される。
個人が他人の出国・入国、滞在・居住の申請に際し、虚偽の招待状その他の申請書類を提出した場合は、移民管理機関により5000元以上1万元以下の罰金が科される。違法所得がある場合は、その違法所得を没収する。
法人において前項の行為があった場合、1万元以上5万元以下の罰金を科す。違法所得がある場合は、これを没収する。また、直接責任を負う管理職およびその他の直接責任者に対し、5000元以上1万元以下の罰金を科す。法律に別段の定めがある場合は、その定めによる。
