
まりーさんプロフィール

米国在住の米国株アナリスト。日本の私立大学経済学部を卒業後、スペインの銀行に就職。ウォートンMBAを経て、ニューヨークの大手証券会社で米国金融株のエクイティリサーチに従事する。その後、ヘッジファンドのアナリスト、ポートフォリオマネージャーを経験。リーマンショック後は米国の公立高校で数学教師として勤務し、2018年に金融業界へ復帰。現在はヘッジファンド勤務のかたわら、米国株投資や金融リテラシーに関する発信を行う。週2回の米株ファンダメンタル分析勉強会「まりーさんの負けない勉強会」を主宰。
ウェブサイト
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英語は得意ではなかった。それでも世界で働きたいと思った理由
トウシル:まりーさんの経歴を拝見すると、スペインの銀行、ウォール街の投資銀行、ヘッジファンド、さらに米国の公立高校の数学教師と、かなり異色で驚きました。そもそも海外で働きたいという思いは、いつ頃からあったのですか。
まりーさん:小中学校時代に通っていた東京学芸大学附属大泉では、海外へ留学する友達や帰国子女の友人が周囲に何人もいました。そのため、子どもの頃から自然と「将来的には海外に行きたいな」という思いが芽生えていました。私立大学の経済学部に進学したのも、世界を舞台にして働くための知識を身につけたいと思ったからです。
トウシル:学生時代から英語は得意だったのですか?
まりーさん:いや、それが全然(笑)。大学1年生の夏休みにホームステイした当時は、英会話教室で下から2番目の初級クラスだったんですよ。ただ、物おじしない性格だったのでいろんな人とポジティブにしゃべり続けていたら、いつの間にか「まりーは英語が話せる」という風評が(笑)。
たった1カ月の米国滞在でしたが、帰国後に受けたテストでは、英会話クラスが一気に上から2番目のクラスまで跳ね上がりました。このときに「英語ってブロークンでも通じるんだ」と大きな自信がつきました。
スペイン語が話せないままスペイン銀行へ。偶然のチャンスをつかんだ就職
トウシル:大学卒業後はスペインの銀行へ就職されていますよね。米国では英語で勉強してきたのに、なぜスペインを選んだのですか?
まりーさん:大学3年の1月から4年の12月まで米国の大学に留学していたので、帰国した時点ですでに日本の一般的な就職活動は完全に終わっていました。1年留年して就活をし直そうかと考えていたのですが、帰国した翌日に大学へ復学手続きをしに行ったときに、経済学部の研究室の掲示板にスペインの銀行の求人が載っていたんです。
留学中に南米の友だちができたこともあり、「いつかスペイン語も学びたいな」とぼんやり思っていましたので「お給料をもらいながらスペインに住めてスペイン語も勉強できる!」とこれまたポジティブに考え、すぐに応募しました。もちろん、スペイン語はその時点では一切話せませんでした。
トウシル:スペイン語が話せないのにスペインの銀行に応募するというのは、かなりの強心臓ですね!
まりーさん:銀行側に「英語が話せて経済学の知識がある経済学部の学生が欲しい」という事情もあったようです。しかし、経済学部で英語がバリバリ話せるような層は、大手商社などに就職を決める人が多いので、よく分からないスペインの銀行の、しかも1年間だけのプログラムには優秀な応募者がなかなか集まらなかったようです。
面接では「あなたは今までどこに隠れていたのですか!」と面接官に驚かれたくらいです。そのままスムーズに採用が決まり、大学を卒業した翌月の4月にはもうスペインへ飛んでいました。
トウシル:まさにチャンスを逃さずにつかみ取ったわけですね。現地での仕事はいかがでしたか。
まりーさん:最初の4カ月は午前中はスペイン語の授業。午後は銀行で業務見習いでした。英語が話せる上で習うスペイン語はまるで方言を習っているようで、しかも現地で毎日使って練習できるので、割と簡単に習得できました。残りの8カ月は終日インターンシップで、一種の長い採用面接のようなものです。
自分からいろいろな部署へ行き「何かやることはありませんか?」「これはどうやるのですか?」と質問しに行って仕事をもらいつつ、合間には、財務状況がいい銀行のデータと審査しなければいけない銀行のデータを比べて、表にしてレポートにしていました。そうした姿勢と仕事内容が評価され、国際部門の審査部に無事採用されました。
トウシル:順風満帆なキャリアの滑り出しに見えますが、そこからなぜ米国のMBA(経営大学院)へ向かうことになったのですか。
まりーさん:スペインでの生活は本当に楽しいものでしたが、毎日仕事の後に飲みに行き、お昼休みも3時間近くあるような、アップワードモビリティ(よりハイレベルなキャリアを手に入れようとする上昇志向)が少ない環境に「このままでいいのかな…」と危機感を覚え始めたんです。
そんな時に、日本からハーバード・ビジネス・スクールへ留学した方の本を読み「米国にMBAを取りに行こう!」と決意しました。そこからは独学で猛烈にテスト勉強をし、ペンシルベニア大学のウォートン・スクールという名門ビジネススクールに進学することができました。
トウシル:米国での生活はいかがでしたか?
まりーさん:1年生と2年生の間の夏休みに、インターンシップでニューヨークのウォール街にある投資銀行での勤務経験をしたとき、米国金融の世界にすっかり魅了されてしまいました。
私がいたスペインの銀行は、スペインの国内では最もキャリア意識が高い人たちが集まるトップ企業だったと思います。それでも、ニューヨークの投資銀行で働く人たちの意識の高さや上昇志向の強さは、世界がまったく違いました。
「絶対にこっちの方が面白い! ここで働きたい!」という目標ができたので、スペインの銀行の時と同じようにインターン中も必死に立ち回り、無事にニューヨークの大手証券会社に入社し「エクイティリサーチ」という部署でアナリストとして働くことになりました。

スペインの勤務先から社内留学でウォートン・スクールへ。MBAを取得したらスペイン銀行に帰国するという条件だったが、偶然にも不況でレイオフが続いていて「戻ってもポジションがない」という状況。そのまま米国への転職が認められた。まりーさんの、運やラッキーを呼び寄せる力が底知れない…
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