こんな初キャップも滅多にあるまい。7月4日の秩父宮ラグビー場。日本代表の背番号10をつけテストマッチに初先発した伊藤龍之介は、欧州6カ国対抗戦で4位に食い込んだイタリアを相手にチームを27-10の勝利に導いた。今季新設された世界大会、ネーションズ選手権の開幕戦に、日本代表のSOでは22年ぶりという大学生で先発。80分間フル出場し、歴史的な勝利を飾った。

「秩父宮では何度も試合をしていますが、いつも大学で試合をするときとは雰囲気が違って緊張しました」

 本人はそう言うが、ピッチでの躍動とクレバーな判断はデビュー戦には見えなかった。7点を先行された後の前半8分、連続攻撃の流れからハイパントを蹴り上げ、敵陣で相手の落球を誘い、ワーナー・ディアンズ主将のトライに繋げる。14分にはコントロールされたハイパントをタッチ際に蹴り上げ、明大の3年先輩にあたるCTB廣瀬雄也がどんぴしゃタックル。味方ボールラインアウトを獲得し、そこからFB松永拓朗が勝ち越しトライ。これでリードを奪うと、以後も高く蹴り上げるハイパントと低いグラバーキックを絶妙に使い分けて相手を背走させ、ゲームを支配。8年ぶりとなるイタリア戦勝利を引き寄せた。

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