(CNN) ロシアが発射したとみられるミサイルがポーランド領内の奥深くに着弾し、北大西洋条約機構(NATO)とポーランドが軍用機を緊急発進させる事態となった。当時、ロシアはウクライナ各地へ長距離攻撃を仕掛けており、少なくとも9人が死亡した。
地元当局によると、ミサイルは30日未明、ポーランド領内およそ90キロの地点に着弾して爆発した。野原の中央に巨大な穴が残された。
X(旧ツイッター)の公式アカウントによると、ポーランドのトゥスク首相は政府の緊急会議で「もしミサイルが飛行を続けていれば、撃墜する用意があった」と説明。「あらゆる兆候から、ロシアのKh101巡航ミサイルだとみられる」と指摘した。
CNNの取材に応じたNATOの報道官は、ミサイルの脅威に対抗するため、NATOの戦闘機2機、NATOの空中給油機1機、ポーランドの早期警戒機1機、ポーランドのヘリコプター1機が派遣されたと明らかにした。
NATO軍はあと数秒でミサイルを撃墜するところだったものの、その後ミサイルが自ら落下すると判断したという。NATO高官がCNNに明らかにした。この高官はさらに、行動へ向けた正式協議を開始するきっかけとなるNATO条約第4条を発動する計画は現時点ではないと付け加えた。第4条は2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻以来、これまでに3回発動されている。
ロイター通信によると、トゥスク氏は現場の穴を訪れた際、ロシアが意図的にNATO加盟国のこれほど奥深くまで攻撃を加えたとすれば、ウクライナ戦争が一段と激化したことになるが、ポーランドが意図的に狙われたと考える理由はないと語った。
ポーランドはこれより前、ロシアの大規模なウクライナ攻撃を受けて戦闘機を緊急発進させたと発表していた。ウクライナではこの攻撃で広い範囲が被害を受け、子どもを含む少なくとも9人が死亡、数十人が負傷したり瓦礫(がれき)の下に閉じ込められたりした。

ロシアのミサイル攻撃を受けたアパートを見つめる女性=30日、リビウ/ Roman Baluk/Reuters

ロシアのミサイル攻撃で破壊された集合住宅の作業を行う救助隊員=リビウ/Roman Baluk/Reuters
「ロシア製」ミサイルが自国領内に落下したというポーランドの報告は初めてではないが、今回のミサイルは異例の距離に達した。2022年11月にはミサイル1発が着弾して2人が死亡したものの、これはウクライナとの国境からわずか6.4キロの場所だった。
ウクライナのゼレンスキー大統領は数日前に米国を訪れ、防空システムの追加供与を改めて要請した。ロシアがウクライナに対する弾道ミサイル攻撃を増やし、各地の都市への航空攻撃を強化した結果、今月は22年4月以来最多の民間人が犠牲になっている。
ただ、ウクライナはロシア国内の深部を攻撃する能力を強調。「ロシアのアマゾン」と評されることが多い「ワイルドベリーズ」の施設を越境攻撃する場面もある。
