(24日、第108回全国高校野球選手権神奈川大会、準決勝)

 神奈川大会は24日、横浜スタジアム(横浜市中区)で準決勝2試合がある。2年連続の甲子園出場を狙う横浜と対戦するのは、2023年に夏の甲子園で優勝した慶応。14年ぶりの夏の甲子園出場を目指す桐光学園は、神奈川大会初優勝を狙う鎌倉学園と顔を合わせる。172チームから勝ち上がった4強の特色を紹介する。

 (各チームの戦績の丸カッコはコールドもしくは延長タイブレークで勝利した回)

第1試合 横浜―慶応

 横浜のスローガンは「気愛」。村田浩明監督が春の県大会中に、スローガンに掲げた。選手や指導者らが愛情と信頼でつながり、互いに支え合うという意味が込められている。

 今春の選抜大会で初戦敗退して以降、チームは思うようにかみ合わず、春の県大会も苦しい試合が続いた。九回1死からの3連打で逆転勝ちした試合もあった。

 神奈川大会では、エースの織田翔希(3年)の登板はここまで5イニングのみ。4回戦の東海大相模戦では、先発した左腕の小林鉄三郎(2年)が八回途中1失点の好投を見せるなど複数の投手が役割を果たし、全員で試合をつくってきた。打線では、池田聖摩(3年)が15打数9安打と好調を維持。春に苦しんだ川上慧(2年)も打撃フォームを見直し、準々決勝の市ケ尾戦では復活の本塁打を放った。試合後、川上は「3年生ともう一度甲子園に戻って勝ちたい」と話した。

 次戦に向けて、村田監督は「しっかり準備をして、目の前の相手と戦うだけ」。優勝すれば、春の選抜大会も含め神奈川県勢では史上初となる4季連続の甲子園出場。あと2勝を「気愛」でつかむ。

◆横浜の戦績

2回戦 7―0 湘南工大付(7回)

3回戦 11―0 住吉(5回)

4回戦 8―1 東海大相模(8回)

5回戦 12―0 三浦学苑(5回)

準々決勝 11―4 市ケ尾(8回)

 慶応の森林貴彦監督は、その年の選手の個性を最大限に生かすことを重視。「守備のチーム」「打撃のチーム」と型にはめず、選手自身が自ら成長していくことを求めている。

 新チームは昨秋の県大会で初戦敗退。試合後、選手主体のミーティングで課題を洗い出し、「フィジカル強化」を掲げた。例年以上にウエートトレーニングの時間と頻度を増やした成果もあり、春の県大会では4強入りを果たした。勝ち上がる中で力をつけた下級生と、「このままでは終われない」という3年生の意地がチームを押し上げた。

 神奈川大会準々決勝の立花学園戦では、先発の湯本琢心(たくみ)(2年)が5回1失点と試合をつくり、六回から登板した渡辺英亜(えあ)(2年)は同点に追いつかれながらも粘投。十回裏2死二、三塁で4番の大棒琉雅(3年)が中前にサヨナラの2点適時打を放ち、勝利をつかんだ。

 次戦は横浜戦。夏の対戦は、2023年の決勝以来3年ぶりとなる。森林監督は「この勢いのままチャレンジャーとしてぶつかりたい」。

◆慶応の戦績

2回戦 10―0 元石川(5回)

3回戦 11―4 大磯(7回)

4回戦 12―5 横浜栄(7回)

5回戦 5―4 横浜清陵

準々決勝 5―4 立花学園(延長10回タイブレーク)

第2試合 鎌倉学園―桐光学園

 チームの軸にあるのは「つなげる」という理念だ。打撃では一人で決めようとせず、次の打者に思いをつなぎ、守備でも連係プレーなどを通じて全員の意思をつなぐことを大切にしている。

 新チームは、秋の県大会4回戦で東海大相模に、春の県大会4回戦で横浜に、いずれも1点差で惜敗。以来、「あと一歩」をどう埋めるかを考えながら練習してきた。

 投手陣の大黒柱は、エースの堀井祥吾(3年)だ。延長十回タイブレークとなった5回戦の平塚学園戦、1点差の接戦を制した準々決勝の桐蔭学園戦でいずれも完投。緊迫した試合を勝ちきってきた。

 打撃中軸の大竹幹汰(3年)、伊藤佑真(3年)らは、好機でもチームバッティングに徹することができる。3回戦の相模原城山戦では、1点を追う七回1死満塁から伊藤の右犠飛で同点に追いつき、浮田琉功(りく)(3年)の適時三塁打で逆転した。

 秋と春の悔しさを糧に、悲願の甲子園初出場を目指す。

◆鎌倉学園の戦績

2回戦 9―2 川崎北(8回)

3回戦 6―3 相模原城山

4回戦 7―0 伊志田(8回)

5回戦 8―4 平塚学園(延長10回タイブレーク)

準々決勝 3―2 桐蔭学園

 桐光学園が掲げるのは「攻めの野球」。40年以上チームを率いた野呂雅之前監督が退任し、昨秋から指揮を執る天野喜英監督が、受け継いだ土台に新たな色を加えた。

 就任当初、選手たちには気持ちの面で控えめな印象があったという。天野監督は「攻めるぞ」と繰り返し、打席での1球目、守備での1球目から先手を取ることを意識させた。「前に、前にという前のめりな姿勢で」と、意識を変えてきた。

 その変化は、夏の戦いにも表れている。1番打者の黄泰崇(3年)は、5回戦の関東学院戦で、初回無死から2ボール、ノーストライクの場面でも迷わず振り抜き、右前打で出塁。その後、仲間の適時二塁打で先制の本塁を踏み、チームを勢いづけた。

 準々決勝の日大藤沢戦では、三塁手の小田倉優真(2年)、二塁手の中沢佳大(けいた)(2年)らが打球に迷いなく反応し、アウトを積み重ねた。天野監督は「打った、得点したという以上に、攻めの姿勢でプレーできたことが大事」と話した。

 夏の甲子園まであと2勝。主将兼エースの林晃成(3年)は「一戦必勝で、悔いのないよう最後までやりたい」と意気込む。

◆桐光学園の戦績

2回戦 11―0 相模原中等教育(5回)

3回戦 14―3 相模原弥栄(8回)

4回戦 15―1 横須賀(5回)

5回戦 4―0 関東学院

準々決勝 9―6 日大藤沢

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