奈良県桜井市 音羽山観音寺後藤住職の花だより - 梅雨の中休み   色鮮やかに花が咲き始めた観音寺

無量庵で折れかけたニワフジを生ける住職

 今年は梅雨と重なって台風がやって来るなど、雨の多い6月でしたが、ちょうど取材日は梅雨の中休み。6月も半ばに差し掛かり、奈良県桜井市にある音羽山観音寺の参道から見る南音羽の里にはのどかな風景が広がっています。

 いろいろな鳥たちがにぎやかなに鳴き声を奏でる参道ですが、この日はカエルの声はしません。梅雨時期なのに変なものですね。昨年、後藤住職から教わったテイカカズラや、実を付け始めたマムシグサなどを見ながら観音寺を目指します。

 間もなく観音寺に着くという場所で、1人の男性とすれ違いました。

 「あんじゅさん、犬の散歩をされていましたよ」

 サクラの散歩中のようです。記者がたどり着くと、サクラは最近の定位置である釣り鐘堂にいました。

 「蚊取り線香を付けるわね」

 無量庵のいつもの場所に、線香の香りが漂います。もうそんな時期ですね。

 「これが一番効くのよ」

 緑も先月よりずっと力強くなった観音寺の境内ですが、その分虫たちも行動を始めています。

 無量庵には、この日はかわいらしい花が生けられていました。

 「ホタルブクロと、ニワフジ、ドクダミね。このニワフジは、草刈りしていたら刈りかけちゃった。折れかけていたからね」

 折れそうになった花を生けているそう。生け花の師範でもある住職は、手際よく折れた花を足していました。

 「季節的には一番良い時期ね。家の中はまだ寒いぐらいよ。日が当たると一気に暑くなるけど」

 猫たちはテラスが好きで、この日の朝も日向ぼっこしていたそうです。

 無量庵の縁側近くに、黄色い花が鮮やかに咲いています。

 「ヒベリカムよ。昨日、やっと名前を思い出したのよ」

 名前は忘れられていましたが、長くこの場所にある花だそう。

 「前はもっと茂っていたんだけど、ちょっと間引いたの。種が落ちても、挿し木しても生えるのよ」

 強い花のようですね。 庭を見渡すと、色とりどりの花が咲き始めています。

 「あれはシモツケよ。とにかく毛虫がよくつくの。丸坊主にされるのよ。もっと色の濃いのもあったのに、なくなったわ」

 モノレールの近くには、ピンクと白の花が同じ木に咲いているゲンペイシモツケもあります。

 「赤と白がある植物は、ゲンペイってつくみたいね」

 観音寺の庭に、色鮮やかな花の季節がやって来ました。

音羽山観音寺
山の中にある尼寺。奈良県桜井市南音羽。
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。
火曜日閉門。17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門

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