ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.07.06 09:22

◇「周りで『キャリア先生』をお迎えした人が増えました」

スイス在住のヤンさん(38)は、今年の夏の欧州の様子をこう伝えた。3年前までは「日陰に入れば涼しいのに、なぜエアコンが必要なのか」と話していた人たちが、最高気温38度の猛暑を経験し、競うように冷房機器を買い求めているという。「キャリア先生をお迎えする」とは、現代のエアコン発明者であるウィリス・キャリアをたたえる韓国のインターネットミームだ。ヤンさんは「欧州では特に、室外機の設置や壁への穴開け工事が不要な移動式エアコンがよく売れている」と話した。

◇「エアコン不毛の地」欧州が変わった

記録的な猛暑が毎年続く中、「エアコン不毛の地」と呼ばれてきた欧州の冷房市場が活況を呈している。これまで欧州では、夏が短く室外機の設置規制が厳しいことに加え、高いエネルギーコストや環境保護意識などが重なり、冷房機器の普及は遅れていた。国際エネルギー機関(IEA)によると、欧州の家庭におけるエアコン普及率は約20%にとどまる。

しかし、猛暑が日常化するにつれて冷房機器の需要は急速に増加している。欧州連合(EU)欧州委員会は、欧州の室内用エアコンの普及台数が2020年の5700万台から2030年には1億400万台へと約1.8倍に増えると予測している。

◇サムスン・LG、欧州冷房市場を本格攻略

韓国の家電大手であるサムスン電子とLGエレクトロニクスも、熱くなった欧州の冷房市場の先行獲得を急いでいる。業界によると、先月の欧州における両社の冷房製品の売上高はいずれも2桁成長を記録した。業界関係者は「欧州は依然としてエアコン普及率が低く、成長余地の大きい市場」とし、「家庭用エアコンだけでなく、ホテル、病院、オフィスなど商業用冷暖房空調(HVAC)の需要もともに増えている」と話した。

サムスン電子は、肌に直接風が当たることを好まない欧州の消費者の嗜好を反映した「無風エアコン」を前面に打ち出し、プレミアム企業間取引(B2B)市場を積極的に攻略している。今年はイタリアのホテル「マリオット・トリエステ」やスペインのホテル「エスメラルダ」などに無風エアコンを大規模に供給した。

昨年11月には、欧州最大の空調企業フレクトグループを15億ユーロ(約2770億円)で買収し、商業用HVAC市場攻略でも賭けに出た。サムスン電子生活家電(DA)事業部のイム・ソンテク副社長は、「人工知能(AI)技術とスマートシングス・プロなど差別化されたB2Bソリューションを基盤に、世界の空調市場で影響力を拡大していく」と述べた。

LGエレクトロニクスも、環境配慮型ヒートポンプをはじめとするHVAC製品群を武器に、欧州市場で事業を拡大している。最近では、スペイン・マドリードなど欧州の住宅団地向けHVAC供給事業を受注し、ポーランド・ワルシャワなどにHVACアカデミーを追加設置して現地エンジニアの育成も進めている。家庭用では壁掛けエアコンの販売を拡大するとともに、移動式エアコンも相次いで完売するなど好調な販売を続けている。

LGエレクトロニクス関係者は「欧州では国を問わず、ほぼ全域でより多くの住宅所有者や建物管理者が自分たちに適した冷房ソリューションを探している」とし、「さまざまな住環境や予算に合わせた住宅用エアコンのポートフォリオ(製品ラインナップ)を継続的に拡充していく」と述べた。

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