29日、中国メディア・第一財経は、AI普及に伴うデータセンターの電力需要激増に対し、クリーンエネルギーへの転換と柔軟な調整資源としての活用が必要だと報じた。
2026年6月29日、中国メディア・第一財経は、人工知能(AI)普及に伴うデータセンターの電力需要激増に対し、クリーンエネルギーへの転換と柔軟な調整資源としての活用が必要だと報じた。
記事は、国際エネルギー機関(IEA)のデータによると30年までに世界のデータセンターの消費電力量は約945テラワット時に達し、日本の年間消費電力量にほぼ匹敵する規模へ拡大する見通しであると紹介した。
また、S&Pグローバル・コモディティ・インサイツの彭澄瑶(ポン・チェンヤオ)氏が、今後5年間の世界電力需要増加分の18%をデータセンターが占める見込みであり、中でも中国と米国が電力消費増加をけん引し、30年には米国のデータセンター消費量が同国の工業用電力の約半分に迫るとの予測を示したことを伝えた。
その上で、AIの発展とエネルギーに関連する問題について、先日遼寧省大連市で開かれた夏季ダボスフォーラムにおける有識者の発言を紹介している。それによると、有識者は従来の火力発電の拡張のみに頼って計算資源を支えるモデルはもはや持続不可能であり、大規模かつ信頼性が高く、経済的なクリーンエネルギーの供給が不可欠という共通認識を持っているようだ。
モンゴルのウチラル首相は、限界のある既存の電力容量に単純に依存して計算能力プロジェクトを誘致すべきではないと警告。国内の住民や産業向けの電力を圧迫しないためにも、新規の再生可能エネルギー開発をセットにしたデータセンター建設を推進すべきだと主張した。
車載電池世界最大手である寧徳時代(CATL)の曾毓群(ロビン・ツェン)会長兼CEOは、AIデータセンターを支えるクリーン電力の供給には、高性能な蓄電システムが不可欠だと指摘。高電圧や高温、出力変動に耐えうる安全な蓄電設備の開発と、安定したサプライチェーンの重要性を強調し、自社で進めるナトリウムイオン電池の量産化計画について紹介した。
ペンシルベニア大学のチャン副院長は、データセンターを単に大きな「お荷物」と捉えるのではなく、送電網の柔軟な調整の機会として捉え、電気が足りない時にはデータセンター側から電力を補うようなシステム構築を提唱。同時に、特定の用途に絞った「省エネ型のAI」を開発してデータ処理に必要な電力そのものを根本から抑える重要性も指摘した。(編集・翻訳/川尻)
