ウガンダのカンパラを拠点とするウモジャ・アート・ギャラリー(Umoja Art Gallery)は、6月17日に開幕したアートフェア「アフリカ・バーゼル」への参加を予定していたが、開幕の1週間前にスタッフのスイス入国ビザが不許可となり、現地入りを断念した。

このニュースを報じたアート・ニュースペーパーによれば、輸送中だった作品も未到着。そのため同ギャラリーの空のブースには、ビザ申請が認められず不参加となったことを説明する次のような看板が掲げられている。

「空のブースは、グローバルなアート・エコシステムが掲げる理想とは裏腹に、いまなお物理的な国境や行政上の障壁が、誰の声がその場に存在できるのかを左右している現実を浮き彫りにしています」

アフリカ・バーゼルは、スイス・バーゼルで開かれるアート・バーゼルの会期に合わせ、2025年に初開催されたフェアだ。アフリカおよびアフリカ系ディアスポラのアーティストを扱うギャラリーに焦点を当てており、今回は前年より1軒多い19のギャラリーが世界各地から参加している。

2011年に設立されたウモジャには、若手から中堅まで24名以上のアーティストが所属しており、2025年からはレジデンス・プログラムの支援も始めている。今回アフリカ・バーゼルに出品予定だった作家の一人が、カンパラを拠点に活動するコンゴ共和国出身の若手アーティスト、マカノ(Makano)だ。腐敗した政府や社会をテーマに制作するマカノは、自身の作品について「抑うつとフラストレーションから生まれたものです」と説明している。

ギャラリー代表としてカンパラからバーゼルへ向かう予定だったジョン・ヒラリー・バルイェジュサは、同僚とともに2カ月にわたってビザ取得を試みたものの、認められなかったとアート・ニュースペーパーに語っている。バルイェジュサはその背景について、東アフリカと中央アフリカで報告されているエボラ出血熱への警戒が影響した可能性を挙げている。ただし、感染の中心地はウガンダではなくコンゴとされる。こうした移動制限をめぐっては、ワールドカップのコンゴ代表チームも、北米での大会に出発する前に21日間の隔離を求められたという。

空のブースに掲げられた看板は、次の言葉で締めくくられている。「芸術的な交流は、人、アイデア、文化の移動に依存していますが、誰もが同じように参加の自由を与えられているわけではありません」

(翻訳:編集部)

from ARTnews

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