「再選挙」と書かれた画用紙を掲げ、投票用紙不足に抗議する韓国の市民(写真:ロイター/アフロ)
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なぜ「投票用紙不足」は起きたのか
磐石に見えた李政権だが…
韓国の統一地方選挙の結果を受けて、李在明(イ・ジェミョン)政権がざわついている。
選挙結果そのものは、一見すると、進歩系の与党である共に民主党の勝利と言える。だが、予想されていた「空前の大勝利」とはならなかった。
前政権を担った尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領による非常戒厳と、それによる弾劾のあと、現与党で進歩系の共に民主党にとって圧倒的に有利な状況が続いていた。そうした中、今回の統一地方選挙で特に注目されたのが、慶尚北道の知事選と中心都市である大邱(テグ)市の市長選挙だ。大邱市は保守系の牙城だが、勢いに乗る共に民主党の候補がその牙城を崩すのではともささやかれていた。
ところが、慶尚北道の知事選も大邱市の市長選挙も、保守系である国民の力が底力を見せて進歩系候補を寄せ付けなかった。さらにソウル市長選では、李在明大統領が鳴り物入りで指名した新人候補が接戦の末に落選し、国民の力から立候補した現職の呉世勲が勝利した。
また、ソウル市内で行われた25の区長選でも、国民の力の当選者は前回17人から8人へと大きく減らしたが、共に民主党が圧勝すると言われていた状況から見れば、意外感すら漂う結果だった。それほどまでに、共に民主党の「完勝」が予測されていたのだ。
だが、李政権がざわついている理由は、選挙結果ではない。「投票用紙不足」問題だ。
投票日だった3日の午後7時ごろ、私も外出先から戻ると、とある投票所で投票用紙が不足していて大変なことになっていると、近所の人から聞かされた。投票時間は午後6時までのはずで、その時、すでに投票終了から1時間が過ぎていた。運転中に聴いていたラジオでは、投票終了時間に合わせて出口調査の結果がすでに発表されていた。
最終的に投票用紙が不足したのは、全国50カ所の投票所にも上った。主な内訳は、ソウルで33カ所、仁川で6カ所のほか、南部では大邱で4カ所、慶尚南道で2カ所である。しかも、それらの投票所では投票締切時間の午後6時になっても投票できない状態が続き、結局、投票時間は夜10時まで延長された。
つまり、出口調査の結果がすでに報道されたにもかかわらず、投票が続けられていたわけで、それはその後の投票に影響しかねない状況であったことを意味する。
まさに民主主義を支える公平・公正な選挙の前提が侵害された、前代未聞の事態である。これを受け、5日には選挙管理委員会の委員長と事務総長が引責辞任した。
それにしても、なぜ投票用紙がそれほどまでに不足してしまったのか。
