2026年6月2日トピックス

本学は、5月27日に令和7年度新潟大学学長教育賞の授与式を行いました。

新潟大学学長教育賞は、教育改善に対する意識を高めるとともに、優れた授業方法および学習支援を全学で共有化することにより、全学的な教育方法の改善に資することを目的としています。平成15年に創設された「教育褒章」を前身とし、平成18年度から「学長教育賞」と名称を改め発展的に継承・運営しており、平成30年度からは「学長教育助成制度」を新設し、本学の教育戦略の推進に取り組む教員集団に対して助成を行うとともに、その中で特に顕著な功績があったと認められる取組を実施した教員集団に対して授与しています。

19回目となる今回は、「生体歯科補綴学分野(医歯学総合病院冠・ブリッジ診療科 秋葉陽介講師(代表者)外2名)」による「「学習のための評価 (Assessment as learning)」と「対話型論証 (Dialogue argument)」を導入し、問題発見解決能力涵養を目指した歯科臨床推論演習」を、特に優れた成果を挙げた取組と決定し、学長教育賞を授与しました。

この取組は、まず教育効果の可視化の成功例として評価できます。学生の自己評価に留まらず、6観点のルーブリックを用いた相互評価や教員評価を用いており、教員評価の総合得点が症例を追うごとに上昇したことを統計的にも実証しました。特に、その効果量が大きかった点は、本演習が臨床推論能力の向上に有効であり、学生の実質的な能力開発に貢献するものであることを示唆しています。
また、評価を学習の一部と捉えた点も優れています。「学習としての評価」の考え方に基づき、評価結果に関するグループ討議を取り入れ、自己評価と他者評価の乖離の原因を分析させるなど工夫がみられます。自由記述の分析で「根拠」や「優先順位」といった語が頻出したことは、学生が単に正解を求めるのではなく、専門家としての対話型論証をし始めたことを示しています。
さらに、持続可能かつ発展性のある教育モデルとなっている点も評価できます。特別な設備投資を必要とせず、既存のカリキュラム内で実施可能な設計でありながら、将来的な生成AIの活用や卒後教育への展開まで視野に入れています。自己評価能力の向上が今後の課題として明示されており、「評価基準の内在化」という教育の本質的な課題へ切り込もうとする姿勢も非常に優れています。これらの点から学長教育賞にふさわしい取組であると判断され、この度の受賞となりました。

本取組が歯学教育にとどまらず、本学全体の教育の高度化へと波及することを期待するとともに、本取組に関わられた皆様の今後の更なるご活躍を祈念いたします。


受賞集団代表者の秋葉講師

(左より)福島副学長、大鳥理事、秋葉講師、染矢学長、吉井学務部長

本件に関するお問い合わせ先

学務部教務課
電話 025-262-6310

他のニュースも読む

トピックス一覧へ

Share.