富山⇄首都圏 Q-reation/NAKASAI コミュニティってどんなプロジェクト?
このコミュニティは、富山県と首都圏(東京)の起業家、企業、自治体、学生をつなぎ、新しい事業や協業の「種」を生み出すことを目指しています。富山県の成長戦略である「スタートアップ・エコシステムの形成」と「関係人口の創出」を同時に進めるのが目的です。
一番の特徴は、「人を起点にしたエコシステムづくり」と「単発で終わらせない伴走設計」にあります。地域のキーパーソンや起業家のストーリーを可視化し、人とのつながりから協業を生み出し、出会いから事業化までを一貫してサポートしています。地域の挑戦者が「自分の挑戦は価値がある!」と感じ、都市の起業家が「地域で挑戦する意味」を見つけられるような関係性を育てることをミッションとしています。
活動は主に3つの層で運営されています。
Q-reation:地域の課題を「問い」として言語化し、首都圏の起業家が事業アイデアを提案するピッチプログラムです。
NAKASAI:人の魅力を可視化し、都市と地域のプレイヤーをつなぐ対話の場です。
Q-reation Lab:選抜された起業家を継続的に支援するメンタリングプログラムです。
Potage代表の河原あずさ氏を中心に、行政、企業、スタートアップ、学生、地域事業者など、様々な背景を持つ参加者がフラットに話し合える場づくりを大切にしています。富山県と東京都をオンラインとリアルでつなぐハイブリッド形式で運営されているんですよ。
富山県経営管理部首都圏本部の主任・本部長補佐である安ヵ川 仁海氏は、「首都圏と富山県が強く結びつくことで、地域の活性化につなげ、この受賞をきっかけに、さらによい取り組みへと前進させていきたい」とコメントしています。
コミュニティから生まれた具体的な協業事例
このコミュニティからは、富山県内のキープレイヤーと首都圏の起業家・事業者の間で、現地拠点設立や共創ワークショップ、契約締結など、複数の具体的な協業が生まれています。

株式会社Jizoku × 一般社団法人とやまのめ ── アイデアから現地拠点設立へ
農業とカーボンクレジットを組み合わせた事業を手がける株式会社Jizokuと、Q-reationピッチを通じて富山県射水市の一般社団法人とやまのめがマッチングしました。共同で3件のプレスリリースを発信したほか、富山大学の学生をインターンとして雇用し、富山事務所の設立に至っています。コミュニティがきっかけで、首都圏のスタートアップが富山県に拠点を構えるまで関係が深まった良い例ですね。
株式会社Jizoku 代表の片岡慶一郎氏は、「Q-reationを通じて富山県のキーパーソンである一般社団法人とやまのめ様と出会い、富山県での事業を拡大してきました。富山県での事業に大きな可能性を感じ、昨年には弊社初となる『富山支部』を設立いたしました。今後もこのご縁を大切にしながら、富山県におけるさらなる事業拡大を目指してまいります」と語っています。

一般社団法人デスフェス × 株式会社ハシモト清(全日本宗教用具協同組合) ── 富山県の伝統産業との共創
「死を起点に、社会の未来をひらく」を掲げる一般社団法人デスフェスと、高岡の仏壇・仏具事業者である株式会社ハシモト清、そして全日本宗教用具協同組合(全宗協)が、NAKASAIミーティングでマッチングしました。2026年2月には、渋谷ヒカリエで「現代の『祈りのカタチ』共創ワークショップ」を共催。ワークショップで生まれたアイデアをもとに、全宗協では現在、商品化に向けた検討が進められています。富山県の伝統産業と首都圏のソーシャル領域のスタートアップが協力し合う、素敵な事例ですね。
事業化までの高い転換率!
2025年度の活動では、行政プロジェクトにありがちな「マッチングだけで終わる」段階を超え、PoC(概念実証)、協業、さらには現地拠点設立まで、段階的な事業化につながる成果が生まれています。
ピッチイベントでのマッチング希望:48件
実際に成立したマッチング:11組
PoC・協業検討に進んだ案件:7件
地域内に事務所設立まで至った企業:1社(株式会社Jizoku)
さらに、SHIBUYA QWSで開催されるピッチ・トークイベントには、渋谷・富山の両会場合わせて平均約30名が参加。NAKASAIでは地域のキーパーソンと首都圏起業家の魅力と背景を可視化するインタビューを年間16件発信し、出会いのきっかけを継続的に生み出しています。
Potageが担った「コミュニティ・アクセラレーター」としての役割
Potageは、このコミュニティの企画から運営までを「コミュニティ・アクセラレーター」として伴走しました。コミュニティ・アクセラレーターとは、組織や地域の変化を加速させる伴走者で、「人のつながり」から成果を生み出すことを役割としています。
このコミュニティ運営の特徴は、行政の取り組みでありながら、参加者自身が主体となって活動が広がっていく構造を持っていることです。地域のキーパーソンが首都圏の起業家を地元プレイヤーに紹介したり、過去の参加者が新しい参加者を呼び込んだり、起業家同士が協業を始めたりと、こうした良い連鎖が生まれる場と関係性を、3年という継続的な期間の中で少しずつ育んできました。
具体的には、以下のような役割を担いました。
富山県のキーパーソンと首都圏起業家への継続的なインタビューによる関係性の可視化
東京都と富山県をオンラインでつなぐハイブリッド型イベントの企画・制作・運営
選抜起業家への継続メンタリング(Q-reation Lab)
首都圏起業家の富山県現地視察(リアルNAKASAI)のコーディネート
富山県内および首都圏の各拠点(SHIBUYA QWS、NEXs Tokyo、Tokyo Innovation Base、hiraku、日本海ラボ等)との連携設計
このコミュニティは2023年度に始まり、2025年度で3年目を迎えました。継続的な伴走によって、富山県と首都圏双方のキーマンへの声掛けの精度が向上し、具体的な協業へとつながる事例が年々増えています。

Potage株式会社 代表取締役/コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさ氏は、この取り組みを通じて「企業でも地域でも、本当に変化を生み出すのは『制度』や『イベント』だけではなく、良質な人と人との関係性だ」と改めて感じたそうです。「コミュニティ・アクセラレーター」として、単発で終わらない“関係性の土壌”を育てることを大切にしてきた結果、行政主導のプロジェクトであっても、参加者自身が「自分ごと」として動き始め、地域や組織の中に新しい挑戦が自然と生まれていったことを、とても嬉しく思っているとのことです。
企業内コミュニティでも地域コミュニティでも
Potageは2025年にも、株式会社NTTデータグループの社内学習コミュニティ「Community Leader’s Community(CLC)」のPeatixコミュニティアワード2025「ビジネスコミュニティ賞」受賞を支援しています。企業内コミュニティでも、地域のエコシステムでも、人のつながりから成果が生まれる場を設計してきたPotage。2年連続の受賞は、その活動の幅広さと効果を示していると言えるでしょう。
Peatixコミュニティアワード2026「テクノロジー・イノベーション賞」って?
「Peatixコミュニティアワード」は、Peatix Japan株式会社が主催する、日本国内で活動するコミュニティを表彰する取り組みです。審査は「つながり」「出会いと発見」「エンパワーメント」の3つの観点で行われ、約450件のエントリーの中から各部門の受賞コミュニティが選ばれました。
「テクノロジー・イノベーション賞」は、AI、Web3、XR、スタートアップ支援、DXなど、最先端技術をテーマに知見の共有や協働を促進するコミュニティが対象です。技術力そのものだけでなく、「テクノロジー領域を起点に、人がつながり、学び合い、新しい挑戦が生まれる場をどうつくっているか」が評価のポイントとなります。
Potage株式会社について
Potage株式会社は、代表の河原あずさ氏が2017年から提唱する「コミュニティ・アクセラレーター」を起点に事業を展開しています。「組織やチームが新しいチャレンジに向けて自走する状態に入るまでの、変化の速度を上げる加速支援者」と定義し、「個が溶け合えば、世界は変わる」を理念に掲げ、多様な専門性を持つギルドメンバーとともに、企業や自治体の伴走をしています。
Potage株式会社に関する詳しい情報はこちらからチェックできます。
富山県の取り組みに関する発表は、富山県ウェブサイトで確認できます。
閲覧数: 14
