Googleは2026年5月7日、心身の健康(ウェルネス)に関する新機能として、同社生成AIの「Gemini」を基盤とする「Google Health コーチ」を発表した。この機能は米国時間5月19日より順次提供が開始され、新しい「Google Fitbit Air 3」が発売される5月26日には、すべての対象ユーザーが利用可能になる予定だ。
そんな本機能の特徴と同社発表リリースをベースにお伝えする。本機能はGoogle Health Premium サブスクリプション(月額1500 円または年額1万3000 円<税込>)に含まれている。
「Google Health コーチ」の開発背景
心身の健康(ウェルネス)は非常にパーソナルなものであり、すべての人に当てはまる万能な解決策を見出すことは難しい。過去10年間で、ウェアラブル デバイスは我々の健康状態をよりよく理解するための豊富なインサイトをもたらしてくれた。しかし、あまりにも情報が多すぎるため、それをどう活用すればよいのかわからないという人も少なくない。
世界トップクラスのパフォーマーには、こうしたデータを読み解き、彼らが健康のポテンシャルを最大限に発揮できるようサポートする専門家チーム(フィットネス トレーナー、医療の専門家、栄養士、睡眠コーチなど)がついており、多方面から支援を行なっている。
誰もがこのようなサポートを受けられるべきであるという想いを形にしたのが、Google Health コーチなのだ。
■ユーザーを深く理解するコーチ
Google Health コーチ の特徴は、一人ひとりに徹底して寄り添うパーソナライズ性だ。効果的なコーチングは、ユーザー自身とその目標への深い理解と尊重の上に成り立つべきだという想いで設計されている。
そのため、誰にでも当てはまるような目標や、決まりきったプログラムを押し付けることは決してない。
初めて利用する際は、まずコーチへの自己紹介からスタートする。達成したい具体的な目標や毎日の生活リズム、利用できるトレーニング器具、気をつけているケガ、さらには普段のライフスタイルについて、会話形式でコーチに伝えていく。
コーチはこうした情報を踏まえて、ユーザーに最適なガイダンスとインサイトを提供する。毎日の生活は変化していくものであるからこそ、コーチも柔軟です。簡単な会話でいつでも状況を更新したり、目標を変えたりでき、コーチはそれを即座にこれからのアドバイスに活かしてくれる。
役立つアドバイスを最適なタイミングで

体験の中心となるのは、再設計された「今日」タブだ。ここは、コーチが先回りして届けてくれるインサイトの拠点となる。
Google Health コーチは、単に昨日の行動を要約するだけではない。あふれる情報の中から必要なものを抽出して、先を見据え、タイムリーなインサイトと後押しを届けるなど、目標達成に向けたデータ分析などの面倒な作業を引き受けてくれる。
そんな最適なガイダンスを提供するため、コーチは共有された以下のようなさまざまな情報を連携させる。
・フィットネスと睡眠の指標
・栄養と生理周期のトラッキング
・位置情報や現地の天候などの環境データ
コーチに情報を共有すればするほど、アドバイスはよりあなたに最適化されていく。コーチとのやり取りを自然に続けられるよう、ユーザーからのフィードバックを反映して精度を高めるとともに、ワンタップで手軽に返信できるボタンをも用意された。
コーチからの声かけを待つだけでなく、いつでも「コーチに質問」をタップして、24時間体制のサポートを受けることもできる。
■Google Health アプリ全体の体験がさらに進化
コーチは、今日タブで毎日の健康管理をサポートするだけではない。そのインテリジェンスによりGoogle Healthアプリ全体の機能を底上げすることで、過去データを次の行動に活かせるツールへと変えてくれる。
<フィットネス タブ>
ユーザー専用の週間プランを確認できる場所に進化。単に歩数やワークアウトを記録するだけでなく、普段通りの言葉で話しかけるだけで、ユーザーに最適なトレーニングを提案してもらったり、オリジナルのメニューを作成して保存することができる。
<睡眠 タブ>
睡眠時間を記録するだけではなく、1週間を通じた睡眠リズム(規則正しさ)を深く理解できるようになり、心身をより深く回復させる質の高い睡眠に向けて、コーチが日々の進捗をトラッキングしてサポートを行なう。
■健康状態をより包括的に可視化

Google Health コーチの体験には、さらに以下のような機能が含まれている。
<要望の多かった機能の追加>
生理周期トラッキング、栄養管理、メンタル ウェルビーイングなどの機能が、新しいGoogle Health コーチの体験に合わせてすべて再設計され、ゼロから構築された。コーチは、生理周期のフェーズ、症状が睡眠やエナジースコア(今日への準備)など、健康の他の側面にどのように関連しているかについてインサイトを共有。より良いリカバリーのためにトレーニングを調整する提案などを行なう。
<柔軟なフィットネス プラン>
ありきたりなトレーニングではなく、コーチが週間の「目標」を見つけ、ユーザー自身とその目標に合わせてパーソナライズされたプランの作成をサポート。コーチは、エナジースコア、進捗状況、さらには天候に基づいて、週間の目標を達成するために何に焦点を当てるべきか毎日提案を行なう。
<ステップバイステップのガイド>
わかりやすいビジュアル表示や指示を取り入れた、状況に応じて最適化されるトレーニングを提供。使いやすいレイアウトでトレーニングを段階的に記録できtるほか、ユーザーの進化に合わせた自動の進捗トラッキング機能も備えている。
<洗練された正確なガイダンス>
会話はより簡潔で自然になり、コーチとのやり取りをよりよく反映するようになった。
<多様な記録方法>
音声、画像、ドキュメントを使ったデータ記録に対応。複雑なトレーニングを音声で記録したり、ジムのホワイトボードの写真を撮ったり、食事の写真を撮って栄養分析を行なったりすることができる。
専門知識とプライバシー保護
Googleは言うまで見なく、健康データが極めて個人的で大切な情報であることを深く理解しており、コーチ機能の基盤にGemini モデルを採用。最新の健康に関する研究結果と、確立されたウェルネスの原則に基づいて、本機能を構築している。
さらに、安全性(Safety)、有用性(Helpfulness)、正確性(Accuracy)、関連性(Relevance)、パーソナライズ(Personalization)からなる独自の「SHARP 評価フレームワーク」を設置。
GoogleではGoogle Health コーチを責任を持って安全に開発するため、多様な分野を牽引する医療専門家や臨床医からなる消費者健康諮問委員会、そして社内の臨床医や研究者・スポーツ科学者とも緊密に連携している。これにより、ユーザーに提供するガイダンスが、信頼できる科学的根拠(エビデンス)に基づいたインサイトとなるよう徹底しているという。
もちろん、これまでと同様に、プライバシーは常にユーザー自身でコントロールできる。
さらに同社では「ユーザーの皆様の健康データやウェルネスに関するデータを Google 広告に使用することはありません。Fitbit アプリが Google Health アプリへと進化した後も、私たちはこの約束を遵守します」と説明している。
日本における価格と提供開始日情報
前述したように、Google Health コーチは米国時間5月19日より順次提供が開始される。その後、新型Google Fitbit Airの発売日である5月26日には、すべての対象ユーザーの利用が可能になる。
本機能は月額1500円(税込) 、または年額1万3000円(税込)のGoogle Health Premium サブスクリプションに含まれるが、Google AI ProおよびUltraのサブスクリプション利用の場合は、追加料金なしで Google Health Premiumの全特典を利用できる。
本機能は、まずは対象となるFitbit端末、およびGoogle Pixel Watch ユーザー向けに提供が開始され、その他の端末にも順次対応する予定。誰でもアプリをダウンロードして登録できる。
なお同社では「対象デバイスをお持ちでない場合も、ご利用の準備が整い次第、通知でお知らせいたします」とアナウンスしている。
関連情報
https://blog.google/intl/ja-jp/products/devices-services/google-health-coach/
構成/清水眞希
