JBpress ナナメから聞く
【JBpressナナメから聞く】ロシアに詳しい、土田陽介氏・安木新一郎氏に聞く(前編)
詳しい内容はJBpressのYouTubeの公式チャンネル「INNOCHAN」でご覧ください。チャンネル登録もお願いします!
ロシアによるウクライナ侵攻から4年が過ぎるなか、いまだ解決の糸口は見えず、混迷を極めています。欧米の経済制裁が続くなか、足元ではイラン情勢の緊迫化による国際エネルギー価格の上昇が、ロシア経済にとって追い風となるのかが注目されています。
JBpressのYouTube番組「ナナメから聞く」の今回のゲストは、欧州・ユーラシア地域のマクロ経済分析を専門とし、「土田陽介のユーラシアモニター」を連載する三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の土田陽介氏と、ロシア経済・貨幣史、特に極東ロシアの現場に詳しく、「安木レポート」を連載する函館大学商学部教授・択捉島水産会理事の安木新一郎氏です。
数字には表れにくい現場の実態も踏まえながら、ロシア経済の現在地と今後の行方について、JBpress編集長の細田孝宏が聞きました。
※YouTube番組「ナナメから聞く」の内容の一部を書き起こしたものです。詳しい内容は、JBpress公式YouTubeでご覧ください。(収録日:2026年4月25日)
北コーカサスでは老朽化したダムが原因とみられる大洪水が発生した(写真:ZUMA Press/アフロ_Dagestan)
マイナス成長に転落も利下げできないロシア
──ウクライナ侵攻後、ロシア経済は欧米の制裁を受けながらも持ちこたえているように見えます。ロシア経済の現状をどう見ていますか。
土田陽介・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員(以下、敬称略):2026年の1〜3月期の実質GDPはマイナス成長に陥っていることは明らかで、景気はかなり厳しい状況です。こうした不景気に対し、プーチン大統領も危機感を強め、中央銀行などに景気対策の強化を求めています。
一方で、ロシア中央銀行は4月24日に政策金利を0.5ポイント引き下げて14.5%としましたが、依然として極めて高い水準です。物資不足によるインフレ圧力が強く、大幅な利下げは難しいため、物価の安定も容易ではありません。
さらに、減税や補助金といった財政出動も簡単ではない。ロシア政府は今年を「財政再建の年」と位置づけ、付加価値税(日本の消費税に相当)の引き上げをすでに実施しています。戦争で悪化した財政の負担を国民に転嫁している状況です。
