テレビ番組で「嫁好きな兄ぃ兄ぃ=嫁二ー」の愛称で親しまれてきた平良司さん。人懐っこいキャラクターの裏に、驚くほど真面目で熱い実業家の顔を持つ。かつてコロナ禍で1億円もの借金を背負いながらも復活を遂げた彼が今、人生最大の賭けに出ている。それは、自ら経営する会社の中で「一番の稼ぎ頭」だった愛着ある居酒屋を畳み、まったく新しい施設へ作り変えるという驚きのプロジェクトだ。
【写真を見る】【 嫁ニー 】沖縄の芸能事務所代表の顔も持つ人気実業家・平良司さん 国際通りに構えた稼ぎ頭の店を畳み、人生を賭けた大勝負に
■経営13年、稼ぎ頭の店を閉め“大バクチ”
舞台は那覇・国際通り。カウンターが撤去され、壁も床も剥がされたその場所は、かつて連日満席だった居酒屋「じなんぼう」だ。
経営不振ではない。
この店は13年にわたり愛され、コロナ禍を耐え抜いた、会社にとって大切な「城」であり優秀な収益源だった。普通なら、このまま安泰な経営を続けるところだろう。しかし、2025年11月、平良さんは店を閉めた。
稼ぎ頭を2か月以上閉めることによる損失は、1000万円を超える。そこまでして立ち上げる新プロジェクト。それは「沖縄そば作りの体験施設」だ。
■「予算は4倍」それでも笑う理由
「居酒屋を少し改修して小さくやろう」と始まったプロジェクトだが、構想が膨らみすぎた結果、予算は当初の4倍に膨れ上がってしまった。
「正直、1億円の借金を背負った時よりも、今のほうがドキドキしているんです」
閉店した店の瓦礫の中でそう笑う男は、なぜ自らの「城」を壊す決断をしたのか。そこには、「思いつき」ではない確かな勝算があった。
■借金1億からの逆転を支えた「沖縄そば」
時計の針を少し戻そう。
2020年、世界中を襲ったコロナ禍。店の売上は激減し、彼は家族や従業員を守るために、1億円の借金を背負った。
生き残りをかけて試行錯誤する中で選んだ道、それが「製麺業」だった。
「自分が好きな沖縄の良さを、食を通して全国に広めるなら、いちばん好きな沖縄そばしかない」
その想いで2022年に起業した「タイラ製麺所」は、決してタレントショップの延長ではない。地道に技術を磨き、現在では県内外の飲食店40〜50店舗へ麺を卸す本格的な製麺ブランドへと成長した。今回のプロジェクトは、この「本気の麺」があるからこそ挑める挑戦だった。
