アスリートを取り巻く「いい夫婦」は海外にもいる。2025年、東京で開催された世界陸上で話題になったのは「結婚指輪をなくしたブラジル人金メダリスト」だ。ブラジル在住の日本人ライターが練習先を訪れ、選手夫婦と両親に秘話を聞いた。〈NumberWebインタビュー/全4回〉

 9月に東京で行われた世界陸上、競歩男子20km。優勝したブラジル人のカイオ・ボンフィンは競技中に結婚指輪を紛失したことが話題になった。

 レース後、カイオは大会関係者に3km地点で指輪をなくしたことを伝えた。

「難しいとは思うが、何とか見つけていただきたい。日本の人々を信じている」

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 それと同時に、自身のSNSで日本の人々に指輪の捜索を依頼した。とはいえ、「なくした指輪が本当に手元に戻るかどうか、もちろん不安はあった」(本人)。しかし、奇跡が起きた――。

見つかった指輪…妻の名前が彫ってある

――競技が行われた20日中に何か手がかりはあったのですか?

「いや、何もなかった」

――しかし、帰国予定日だった翌21日、朗報が届いたのですね?

「ホテルで朝食を摂っていたら、大会関係者から『指輪が見つかった。今、大阪にあるので、これから東京へ輸送してもらう』という連絡を受けた。跳び上がって喜び、すぐにジュリアーナに連絡した。彼女は 『うああ』という声にならない声で叫び、『本当なの? 信じられない!』と繰り返していた」

――ブラジルへの帰国便に乗るため21日夜にホテルを出発することになっていたが、そのほんの少し前、指輪がホテルへ。

「大会関係者の女性から呼び出されて、部屋から飛んで行った」

――あなたが指輪を受け取った際の動画を見たのですが、折り紙を渡され、それを開けて指輪を発見し、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。慌てるあまり、空になった折り紙を床に落としていた(笑)。

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