
「それが当たり前」3年連続自転車ヘルメット着用率1位の愛媛県では約70% 普及の裏には高校生の死が 石川県は約25%と低水準の結果に そこには大きな意識の違いが!?
2023年4月に努力義務化された自転車のヘルメット着用。
努力義務化後のヘルメット着用率は上昇傾向で、警察庁の調査によると、2025年6月の調査では、全国平均は21.2%となっていて、前年より4.2ポイント上昇しています。
また、1位は愛媛県で70.3%、2位は大分県で53.7%、3位が山口県で49.9%となりました。それに対して石川県での着用率は24.5%で、3年連続で全国平均を上回っていますが、2024年の29.6%より5.1ポイント低下する結果でした。
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なぜ愛媛県では着用率が高いのか。その裏には高校生の死がありました。
ヘルメット着用率全国1位の愛媛県 きっかけは「高校生の死」
長男を事故で亡くした・渡邉明弘さん「このあたりですね、おそらく。ずっとおかしいなおかしいなとここまで歩いてきたらここに血の跡が。歩幅で測っていったら20メートルくらい(はねとばされていた)」
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松山市内に住む渡邉明弘さんは、交通事故で長男の大地さんを亡くしました。2014年12月、当時高校1年だった大地さんが自転車で帰宅中に、横断歩道でトラックにはねられるという事故。大地さんはヘルメットを着用していませんでした。
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長男を事故で亡くした・渡邉明弘さん「自動車に乗っている大人が気を付けて運転すればヘルメットなんていらないと思っていた」
この事故がきっかけの一つとなり、2015年に愛媛県では全国で初めて県立高校で通学時のヘルメット着用が義務化されることに。2025年時点では、私立高校を含むすべての高校の校則で義務化され、朝の通学風景を取材すると高校生のほとんどが着用しています。
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通学する高校生「それが当たり前。大人も被った方がいい」
男性「公道を走るから(被っている)。子供たちも被っているから」
一方でヘルメット着用率24.5%の石川県では
一方、石川県では、通勤や通学で多くの人が行き交う交差点で取材すると、多くの人がヘルメットを被っていません。
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通学中の高校生「最近まで暑くて蒸れたりするのが嫌で被りたくないのが本心。周りが被っていないからいらないのかなと思う」「ヘルメットが無くても大丈夫かなと思って。(Q.努力義務後の意識の変化は?)あまり変わらないです」
石川県では、2025年のヘルメット着用率が24.5%で、2024年のヘルメット着用率29.6%から低くなっています。着用率の低下は、一時的なものとしていますが、警察もヘルメット着用について警鐘を鳴らします。
石川県警・交通企画課 宮務次席「高校生とか大学生、社会人、高齢者すべての年齢層がまだまだ着用が浸透していない」
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ヘルメットを被っている人は・・・
通勤中の女性「通勤する人はヘルメットを被る人が見られるように感じるが、高校生はまだまだかな。自分の体を大事にするというのと、もし私になにかあった時、家族や職場の方に迷惑かけるので」
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警察は注意を呼び掛けています。
石川県警・交通企画課 宮務次席「自転車乗車中に交通事故で亡くなった方の約半数は頭部を負傷して亡くなっている。頭部を守ることが重要です」
警視庁では、ヘルメットを着用していない場合の致死率は着用している場合に比べて1.8倍高いとして注意を呼び掛けています。
使いやすく便利な「シェアサイクル」では
一方、全国的に需要が高まる「シェアサイクル」利用者のヘルメット着用も課題となっています。
利用者「近くにポートがあるから駅とか来るときはよく使っている」「行き晴れだけど帰り雨の時に行きはシェアサイクルで帰りはバスで帰るという感じで使っている」
金沢市が運営する公共シェアサイクル「まちのり」
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専用のアプリを登録すると、およそ100か所に設置されたポートで電動自転車を借りることができます。最初の30分まで165円で利用できるなどの手軽さから利用者は年々増加していて、2024年には年間およそ30万人に。
MRO「シェアサイクル」利用者にヘルメットは難しい?
ヘルメットの着用をいかに促すか、金沢市の担当者は頭を悩ませています。
街なかで取材をしていて見かけたまちのりの利用者30人のうち、ヘルメットを被っていたのは1人だけでした。
利用者「ヘルメットは着けていない。シェアサイクルという都合上しょうがない。自分から持ってくるということはしないと思う」「(ヘルメットを)貸してくれるみたいだけどそこまで行くのも大変だし。ポートのところにあればすぐに借りられるけど、ないから」
金沢市では、市役所や金沢駅前のまちのり事務局などでおよそ60個ほどのヘルメットを貸し出しているほか、職員が率先して着用し周知を進めています。
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金沢市・交通政策課 高田耕太郎課長「頭部を損傷することで大きなけがになってしまうということでヘルメットが大事であるとか、着用していないことで死亡の可能性が上がってしまうということを伝えた上でヘルメットを被ってもらうように周知している」
愛媛県はシェアサイクルでもヘルメット!
愛媛県の民間企業が運営する「しまなみシェアサイクル」
提供 WAKKA
広島県と愛媛県をつなぐしまなみ海道沿いの13か所のポートで50台の電動自動車を貸し出していて、ヘルメットを備え付けています。
株式会社わっか・村上あらし代表取締役「電動アシストの自転車のカゴ付きのものなんですがそのカゴの中にぽんと入れておくだけですね。そうするとみなさんカゴの中に何か入れたいからヘルメットをどかして結局被るという感じ」
提供 WAKKA
行政のみならず、民間企業も率先して取り組むことで愛媛県内では年齢に関わらずヘルメットの着用が当たり前になっているといいます。
株式会社わっか 村上あらし代表取締役 「愛媛県では自然とお年寄りから子供に至るまでヘルメットを被らないと恥ずかしいという感覚になっている」
石川県でもすべての年齢層でヘルメットの着用が当たり前になるには、県民の意識の変化が必要であるとして、県警は引き続き、自治体とも連携しながらヘルメットの着用を呼び掛けています。
