はらぺこライターの旅人間です。石川県小松市には、高さ15mもの巨大な大仏がある。肩から下が大地に埋まっているという、なんとも珍しい姿だ。

その名は「ハニベ釈迦牟尼大仏」。仏頭が建立されたのは1983年(昭和58年)だが、実はまだ未完成のままだという。公式サイトにも「高さ33mの大仏建立が悲願」と記されている。

ここは「ハニベ巌窟院」という。いわゆる洞窟寺院だ。初代院主・都賀田勇馬氏によって開洞され、戦後まもなくの乱世を憂い、世界平和と人類繁栄を願って、黙々と仏をつくり続けてきたという。

ところで、この「ハニベ」って何だろう?

聞きなれないハニベという言葉、どこか遠い国の言葉かと思いきや、実は「土で彫刻をつくる人」を意味する「土部師(はにべし)」が由来なのだとか。

要するに、現代でいう彫塑家のことだ。つまり「ハニベ巌窟院」とは、「彫塑家がつくった洞窟のお寺」という意味だという。

ネットなどでは「おもしろいスポット」や「珍スポット」として紹介されることが多いが、実際に大仏を目にすると、その威厳に圧倒される。

大仏の内部には水子供養をはじめ、多くの祈願が捧げられている。取材許可を取る際に「写真は特にNGではない」と言われたが、多くの人々の思いが込められた場所であることを考え、撮影は控えることにした。内部が気になる方は、実際に訪れて自らの目で確かめてほしい。現地に立てば、その神聖さを感じ取れるだろう。

この「ハニベ巌窟院」の魅力は、この大仏だけではない。ここは洞窟寺院。この大仏はまだ入り口にすぎないのだ。

大仏の前から順路に従って池に架かる橋を渡り、遊歩道をさらに奥へと進んでいくと、想像をはるかに超える見どころが待っている。

この池も、とってもキレイなんですよ。

小松市北東部に広がるゆるやかな丘陵地は、かつて加賀国の国府が置かれていた場所だという。この一帯は石材の産地としても知られ、今も周辺にはいくつもの石切場跡が残っているそうだ。ハニベ巌窟院もその一つ。

遊歩道を10分ほど歩いていくと…

途中で、それらしい雰囲気を漂わせる岩壁が現れる。そこにはインド彫刻風の仏像が見え、日本の寺院とは思えない独特の雰囲気を漂わせている。

インドに来たような気分になる。

ん?よく見ると黒い招き猫?なぜここに?一気に日本に戻ってきた。案内によれば、ハニベの招き猫は黒猫で、手を耳の上まで高く上げ、さらに愛嬌たっぷりにウインクをしているのが特徴だという。

ここに展示されているのは「ハニベ焼」。工房でひとつひとつ心を込めて手づくりされ、窯で素焼きし、色付けを施されたものだとか。見とれるほどステキだ。

さらに奥へ進むと、洞窟が姿を現す。

観光地でよく見かける鍾乳洞とは雰囲気がまるで違う。ここは自然が作ったものではなく、人の手で掘られた洞窟だからか、とても歩きやすいのだ。

洞窟の中には、さまざまな展示が並んでいる。例えば、それは「釈迦一代記」、「インド彫刻」、そして「地獄めぐり」といった感じだ。
その中でも「地獄めぐり」は珍スポットとして語られるのも分からなくはない。だが、釈迦一代記やインド彫刻は息をのむほどの迫力で、本当に素晴らしいのだ。

実際に訪れてみての素直な感想は、「こんなにスゴイとは思ってなかった」という一言に尽きる。最初は1時間もあれば十分かと思っていたが、気づけば2時間以上も過ごしていた。スケールがあまりに大きく、とても一つの記事では語り尽くせない。

ここは洞窟寺院であり、美術館でもあるような不思議な空間だ。改めて紹介したいと思うが、実際に来れば想像の3倍は驚くに違いない。

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