はらぺこライターの旅人間です。石川県小松市に「ハニベ巌窟院」という洞窟寺院がある。ここには肩から下が大地に埋まった高さ15mの巨大な大仏があることで知られているが、実は石切場跡を利用した洞窟に並ぶ彫刻など見どころは多い。

前回の記事では大仏や洞窟寺院の全体を紹介したが、今回はその中から「地獄めぐり」に焦点を当ててみたい。

「ハニベ巌窟院」はネット記事などで珍スポットと紹介されることがある。実際に訪れてみて、私は珍スポットだとは思わなかった。
ただ、「地獄めぐり」のエリアに関しては、そもそも「地獄」が本当にあるのかどうかは分からないし、ある意味では人の想像がつくり出した世界。そこを表現すると、ちょっと“面白スポット”っぽく見えてしまうのかもしれない。

いや、あえて“面白スポット”っぽくしているからこそ、怖すぎず、むしろユーモアがあることでバランスが取れているのではないか…そんな風に感じた。
洞窟内を歩き、「地獄めぐり」のエリアにつくと、そこには地獄の門番がいた。

一般に地獄の門番といえば、ギリシャ神話の三頭犬ケルベロスが知られるが、日本では牛頭馬頭(ごずめず)がその役割を担tっている。

牛頭馬頭は、仏教において亡者を責め苛む獄卒で、牛の頭に人身を持つ牛頭と、馬の頭に人身を持つ馬頭である。その姿は『六道輪廻図』や『六道図』に描かれ、『今昔物語集』『太平記』など多くの文献に登場している。

そんな地獄の門番のそばには、座り込んで途方に暮れる男の姿があった。

その男が見つめる先には、「地獄に着きにけり」と書かれている。

そう、ここは地獄なのだ。

※この先には、地獄を表現したグロテスクな画像があります。

日本の仏教では、人は死後に三途の川を渡り、閻魔大王をはじめ十王による審判を受けるとされる。罪の重い者は地獄に落ち、焦熱地獄や極寒地獄、阿鼻地獄など、罪の内容に応じた世界で苦しむという。

そして服役期間を終えると、輪廻転生によって再びこの世に生まれ変わると考えられている。ここではその「地獄の様子」が表現されている。

人をたぶらかした罪や、食べ物を粗末にした罪など、地獄で裁かれる行いが具体的に描かれている。ここは子供には刺激が強いかも…。

薄暗い洞窟内だけに、雰囲気はなおさら怖さを増している。

そして、鬼たちが座って食事をしている場面に出くわす。

恐る恐る近づいてみた。

一体なにを食べているのか?

そこには驚きの“鬼の食卓 メニュー”が掲げられていた。

目玉の串刺し、耳と舌の甘煮、面皮の青づけ、そして人血酒…。想像するだけでもぞっとする。まさに地獄絵図そのものだ。

ちなみに余談だが…

東アジアの仏教では地獄の色は道教の影響で「黒」と表すそうだ。餓鬼は赤、畜生は黄、修羅は青。この三色を混ぜると地獄の黒になるという。また、節分でおなじみの赤鬼・黄鬼・青鬼も、実はここに由来しているのだとか。

古い伝承を紐解くと「へぇ~」と感じることが多い。地獄の展示も、あまり怖がらず“面白スポット”として受け止めるのがいいのかもしれない。ただ、その中には「正しく生きよう」というメッセージも込められている気がする。

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